黒田明伸(2003/2014)『貨幣システムの世界史-「非対称性」をよむ』

所有研究会用。おうちにある本を読むよシリーズ。
これ、2014年に増補版が出てるんですね。


貨幣システムの世界史―「非対称性」をよむ (世界歴史選書)

貨幣システムの世界史―「非対称性」をよむ (世界歴史選書)

ISBN:4000268589

  • 序 章 貨幣の非対称性
    • 1 合算できない貨幣たち
    • 2 手渡される貨幣の論理
    • 3 還らない貨幣
    • 4 多元的貨幣論
  • 第一章 越境する回路:紅海のマリア・テレジア銀貨
  • 第二章 貨幣システムの世界史
    • 1 見えざる合意
    • 2 地域流動性と支払い協同体
    • 3 銅貨の世界と金銀貨の世界──手交貨幣の二極面
    • 4 分水嶺としての一三世紀
    • 5 本位貨幣制と世界経済システム
  • 第三章 競存する貨幣たち:18世紀ベンガル。そして中国
  • 第四章 中国貨幣の世界:画一性と多様性の均衡構造
  • 第五章 海を超えた銅銭:環シナ海銭貨共同体とその解体
  • 第六章 社会制度、市場、そして貨幣:地域流動性の比較史
  • 第七章 本位制の勝利:埋没する地域流動性
  • 終 章 市場の非対称性

序章

  • [11] ケインズ
    • 生産機能の分業から生ずる取引に対応する産業的流通
    • 財の投機的取引や金融取引に対応する金融的流通

これらを合算しても意味がない。

借りもの

ルーマン解読』用。

「哲学講義」用。

清水 徹(2010)『ヴァレリー』


ヴァレリー――知性と感性の相剋 (岩波新書)

ヴァレリー――知性と感性の相剋 (岩波新書)

岩波書店

  • 序──《感性のひと》の側面
  • 1 最初の危機──ロヴィラ夫人をめぐって
  • 2 レオナルド論とムッシュー・テスト
  • 3 ロンドンと『方法的制覇』
  • 4 詩作の再開と第一次世界大戦
  • 5 愛欲の葛藤──カトリーヌとの出会い
  • 6 胸像彫刻にはじまって──ルネ・ヴォーティエと『固定観念
  • 7 崇拝者からの愛──エミリー・ヌーレの場合
  • 8 最後の愛──『わがファウスト』と『コロナ』と『天使』
  • 年譜
  • あとがき

太田知行(1963)『当事者間における所有権の移転―分析哲学的方法による研究の試み』


  • はしがき
  • 序章

第1部 「所有権」の概念及び「当事者間における所有権の移転時期」の分析

  • 第1章 分析のための道具概念の作成
    • 1 ホーフェルドの体系
    • 2 レィディンによる修正
    • 3 八つの言葉の定義
  • 第2章 所有権という言葉の分析
    • 1 「所有権」の実体化
    • 2 従来行われた所有権という言葉の分析について
    • 3 経験科学における理論の機能 それと法律構成との比較
    • 4 法解釈学のける interpretation 名目定義の機能
    • 5 所有権という言葉の interpretation
  • 第3章 「当事者間における所有権の移転時期」とはどのような問題か

第2部 「不動産売買における当事者間の所有権の移転時期」解決の試み

  • 第1章 アメリカにおける不動産売買の仕方
    • 1 売買契約締結前の段階
    • 2 売買契約の締結
    • 3 契約の完了までに各当事者が行う準備
    • 4 契約の完了
  • 第2章 価値判断の平明における「当事者間における所有権の移転時期」について
    • 1 ルウェリンの判例分析の方法
    • 2 売り主は何時 自己がそれまで買主に対して〈目的不動産を使用する privilege〉〈買主が目的不動産を使用することを禁止する right〉を失うか
    • 3 売主は何時まで、買主に対し、〈自己が目的不動産の使用価値を破壊する privilege〉〈買主が目的不動産の使用価値を破壊する行為を行うことを禁止する right〉を有するか
    • 4 売主は何時まで、〈第三者のために種々の権利を設定する power〉を講師する privilege を、買主に対して有するか
    • 5 危険負担の移転時期について
    • 6 要約
  • 第3章 法律構成の平面における「当事者間における所有権の移転時期」について
    • 1 Doctrine of Equitable Conversion
    • 2 法律構成の平面における「当事者間における所有権の移転時期」

文献

序章

引用

序章

7

  • 「いつバトンは第一走者から第二走者へ移転するか」と、「いつ所有権は売主から買主へ移転するか」は同じ文法構造を持つ。
  • でも、バトンは実体として存在するが、所有権はそうではない。
  • この違いを論じることができなければならない。

ホーフェルドの八つの概念間の関係

伊藤 守(2017)『情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求―』


情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚

情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求―

青土社

  • 序章――情動化する社会を読み解くために

第1部

  • 第1章 デジタルメディア時代における言論空間――理論的探求の対象としての制御、情動、時間
  • 第2章 「事態の潜勢態」をめぐって――ホワイトヘッドの「抱握」概念から
  • 第3章 知的感受と情動の強度――「感受」の公共的性格
  • 第4章 情動と社会秩序の宙づり――ホワイトヘッドとパースの社会学的射程
  • 第5章 情動の政治――フクシマ、領土、オリンピック

第2部

  • 第6章 社会の地すべり的な転位――コミュニケーション地平の変容と政治的情動
  • 第7章 ポストメディア時代のコミュニケーション・モード――SNSは何を変えつつあるのか?
  • 第8章 オーディエンス概念からの離陸――群衆、マルチチュード、移動経験の理論に向けて
  • 終章――ポストメディア時代の行方と展望
  • あとがき

序章「情動化する社会を読み解くために」

7

パースの記号論を … 「論理的解釈項」とともに「情動的解釈項」「力動的解釈項」からなる記号の動的作用の総体から、対象世界と身体の根源的な関わりのうちに生成する情動の問題を考究する。これが本書の一貫した問題関心である。

第1部 第1章「デジタルメディア時代における言論空間──理論的探求の対象としての制御、情動、時間」

27

以下では、サイバネティクスを基盤とした情報のフィードバックを通して、自然環境、社会環境、さらには人間の精神や身体をこの回路に取り込むまでに進化した制御システムが、社会的コミュニケーションのモードと言論空間の外形的構成そのものを組み替えているとの仮説を展開するだろう。次に、この言論空間の基盤をなす情報流通の物質的・社会的な機構の変化がもたらす、効果ないし影響を考えるためには、メディア研究が対象とする領域を、意識や意識的行為のレベルから、意識化する以前の、下意識の、より正確に言えば「潜在的なもの」と「潜勢力」のレベルにまで拡張する必要があることが論及される。さらに第三に、いま述べた二つのことがらと内的に関連する重要な観点として、「時間」の問題を視野に入れることが不可欠であることが言及されるだろう。それは人間の「経験」を根本的に再考することでもある。

文献

ハリー・コリンズ『我々みんなが科学の専門家なのか?』

哲学講義用。


我々みんなが科学の専門家なのか? (叢書ウニベルシタス)

我々みんなが科学の専門家なのか? (叢書ウニベルシタス)

法政大学出版局

第一章 世界が感じていることと学者たち

    • 中間的なまとめ
  • 第二章 専門家
    • 専門知の諸類型
    • 専門知の表
  • 第三章 市民の懐疑論
    • 集団的活動としての科学と暗黙知
  • 第四章 市民の警笛鳴らし
    • ワクチン反対論者
  • 結論  我々みんなが専門家なのか?

ニクラス・ルーマン(1984)『社会的システムたち』第三章「二重の偶発性」

よりによってダブル・コテチンジェンシーの章が当たってしまった。ISBN:3518282662

旧訳 新訳
1. パーソンズを超えて [06.0] パーソンズにおける「二重の偶発性」
2. ダブル・コンティンジェンシーの論理 [12.0] 二重の偶発性による創発
3. 不確実性の公理 [05.5] 通常的な秩序の創発
4. ダブル・コンティンジェンシーと不確実性 [04.0] 通常的なものの蓋然性
5. 自触媒作用と予測可能性 [05.5] 二重の偶発性の自己触媒作用
6. 秩序問題の新しい地平 [05.0] 時間からの秩序の成立
7. システム境界をめぐる問題 [02.5] 社会システムの境界
8. 信頼と不信頼 [03.5] 解決策としての「信頼/不信」
9. ダブル・コンティンジェンシーと自己準拠 [07.5] 「二重の偶発性」の二形態
10. ダブル・コンティンジェンシーにおける選択の問題 [04.0] 選択問題再考

トピックリスト

新訳 トピック
1. パーソンズにおける「二重の偶発性」  
2. 二重の偶発性による創発  
3. 通常的な秩序の創発  
4. 通常的なものの蓋然性  
5. 二重の偶発性の自己触媒作用  
6. 時間からの秩序の成立  
7. 社会システムの境界  
8. 解決策としての「信頼/不信」  
9. 「二重の偶発性」の二形態  
10. 選択問題再考