総特集:なぜ〈人間〉は産業社会学の問題になるのか

なぜですか。

『21世紀の産業・労働社会学』214ページ

  • 産業社会学に関する学説史的研究では,その後の産業社会学の「衰退」がいかなる知的営みのなかで生じたのかに関する分析が中心であり,
  • 研究内容の変遷に関する歴史的検討の重要性が指摘されてきた(稲上・川喜多編1987; 山田1996; 富永2004; 藤本2020; 中川2020; 園田2021a)。
  • しかし,関連する領域社会学との関係性のなかで,産業・労働社会学がいかにして一大領域として認識されるに至ったのかという点までは,ほとんど考察が及んでいない。

準備

著作

便乗商法

論文

社会学における人間関係論批判

  • 【済】雲嶋良雄(1950)「書評:レスリスバーガー、ディクソン共著『経営と労働者』」(一橋論叢 23-2) http://htn.to/3FVh5C
  • 相田一郎(1957)「労使関係に対する人間関係論的接近について:グリーンウッドの所論の紹介」 明大商學論叢 41 (2)
  • 【済】飯野春樹(1958)「人事管理の性格に対する一考察:人間関係論との関連において」經濟論叢 82 (1)
  • 【済】渡瀬 浩(1960)「労務管理と人間関係論」 大阪府立大學經濟研究 15
  • 岡山礼子(1960)「人間関係論と小集団の問題」明治大学短期大学紀要 4
  • 雲嶋良雄(1964)「労資関係と人間関係論」一橋論叢 51 (3)
  • 【済】鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成:その生成との関連におけるバーナード理論の地位」香川大学経済論叢 38 (1・2)
  • 【済】篠崎恒夫(1967)「人間関係論批判序説」 商学討究 18 (2)
  • 【済】篠崎恒夫(1968)「人間関係論批判序説(続・完)」 商学討究 18 (4)
  • 進藤勝美(1969)「人間関係論の発展:人間観を中心に」 彦根論叢 136
  • 南 博(1969)「人間関係論の日本における成立と展開」 年報社会心理学 10
  • 平山健二(1971)「人間関係論の終り」 駒大経営研究 2 (3・4)
  • 奥田幸助(1972)「人間関係論と労使関係論:ホワイトの所論を中心として」 関西大学社会学部紀要 3 (2)
  • 原田 実(1973)「人間関係論の参加主義的理解について:Paul Blumbergの『産業民主々義論』の考察」 經濟學研究 38
  • 北野利信(1974)「人間関係論における社会観」 學習院大學經濟論集 10 (4)
  • 進藤勝美(1975)「レスリスバーガーの人間関係論」 彦根論叢 173
  • 進藤勝美(1975)「メィヨーの人間関係論」 彦根論叢 第175・176号
  • 進藤勝美(1979)「レスリスバーガーの"Knowledge Enterprise"論:科学としての人間関係論の講策へ」 彦根論叢 第198・199号
  • 鈴木幸毅(1979)「人間関係論的視座と経営管理論」 駒大経営研究 10 (2・3)
  • 近藤恭正(1980)「マネジメント・コントロールの分析視点:人間関係論モデルの検討を通して」 同志社商学 191-207
  • 石井修二(1980)「ホーソン研究の一考察:人間関係論と能率及び参加問題」 駒沢大学経済学論集 11 (3・4)
  • 関根政美(1980)「現代組織論の動向と人間仮説の変遷」 法學研究:法律・政治・社会 53 (9)
  • 島 弘(1981)「「ホーソン実験」と人間関係論」 同志社商学 32 (5)
  • 原田 賓(1983)「エルトン・メイヨーの初期労作について」 經濟學研究 47 (5/6)
  • 髙木直人(2015)「エルトン・メイヨーとピエール・ジャネ―精神病理学と社会的研究―」 名古屋学院大学研究年報 28

追加

稲上毅・川喜多喬編(1987)『リーディングス日本の社会学9 産業・労働』

  • はしがき――編集方針について
  • 序論 概説 日本の社会学 産業・労働

第1部 「伝統的な」職縁社会――鉱山と町工場の社会学

第2部 日本的労務管理の系譜と変遷

第3部 技術革新と労働者――昭和30年代の軌跡(1)

第4部 「二重構造」の変容とスモール・ビジネス――昭和30年代の軌跡(2)

第5部 労働者意識の性格と変貌

第6部 日本の労使関係と労働組合

序論

人間関係論批判

人間関係論導入期の社会調査

  • 石川晃弘(1962)「社会学における労働・労働者研究」『季刊労働法』46号,総合労働研究所
    in 石川晃弘(1975)『社会変動と労働者意識:戦後日本におけるその変容過程』日本労働協会
3 マルクス主義労働社会学の登場

長谷川 廣(1960)『日本のヒューマン・リレーションズ』

なぜ〈人間〉は産業社会学の問題となるのか問題の続き https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p0

via 中川宗人(2022)「経営モデルの企業組織への導入」 in 『21世紀の産業・労働社会学
via 山崎敏夫(2017)『企業経営の日独比較』4-2「日本におけるヒューマン・リレーションズの導入」 p. 180, 注23.

制度として経営における意思疎通に関する各種の施策が最初に採用されたのは1951年,52年頃のことであり(21),東京大学の尾高邦雄教授による従業員態度調査が初めて日本鋼管川崎製鉄所において実施されたのもこの時期のことであった(22)。こうして始まったHRへの取り組みは,生産性向上運動が開始される1955年頃から紹介・導入の段階を過ぎ,普及の段階に入り,この時期にひとつの転機を迎えた(23)

https://contractio.hateblo.jp/entry/20220507/p20
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濱島 朗(1952)「アメリカ労働社会学の成立と発展」

via 稲上毅・川喜多喬編(1987)『リーディングス日本の社会学9 産業・労働』 https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p1


  • はしがき(尾高邦雄)
  • 労働社会学の構想と課題(松島静雄)
  • アメリカ労働社会学の成立と発展(濱島 朗)
  • ドイツ労働社会学の基本的性格(濱島 朗)
  • 労働者意識の実態(調査報告)

濱島 朗「アメリカ労働社会学の成立と発展」

  • 序説
  • 一、アメリカ労働社会学の成立
    • (一)その社会的背景
    • (二)ホーソン工場における社会的実験
    • (三)政府・実業および大学における関心の増大
  • 二、アメリカ労働社会学の発展
    • (一)概観
    • (二)メイヨーの中心思想
    • (三)人間関係的方針の完成
    • (四)現代産業社会構造への文化人類学的接近
    • 〔余論〕小労働集団の社会心理学的研究
    • (五)産業社会学批判の現状
      • 方法論的諸問題に関する疑義
      • 労使関係的方針からの批判
      • 経営者側的立場性への非難
      • 理論的整備への反省

濱島 朗「ドイツ労働社会学の基本的性格──その史的過程からの究明」

  • はしがき
  • 一、ドイツ労働社会学の概観
  • 二、第一期の特徴
    • (一)労働者の生活および意識の究明
    • (二)社会政策学会による労働者調査およびその展開
  • 三、第二期の特徴
  • 四、第三期の特徴
  • 附記・戦後におけるドイツ労働社会学の動向
  • あとがき

アメリカ労働社会学の成立と発展

一、アメリカ労働社会学の成立
序説
  • 労働社会学には、労働の研究と労働者の研究がある。
    • 労働の社会学的研究
      • ①社会分業論:職業は人と社会の通路になっており、人は職業を通じて他の人と連帯する。
      • ②職業意識研究:ある職業に就くことは、その人の生活態度・生活様式にどのような影響を与えるか
    • 労働者・労働集団の社会学的研究
      • ①労働における集団生活を生産性の観点から捉え、職場集団における人間関係と生産意欲の関係を調べる
      • ②階層的に規定された労働集団(〜労働組合)に関心を持つ

アメリカにおける労働社会学の中心は産業社会学にある」というのが濱島の見立て。濱島は、すでに存在していた労働社会学に対して新興の「アメリカの産業社会学」を位置付けているのだから当然こうなるのだが、これはのちに尾高が設定した包含関係(労働社会学⊂産業社会学)とは逆になっている。
では尾形はどんなロジックで、この包含関係を逆転させたのだろうか。

尾形は、少なくとも、「労働より産業の方が大きい」という常識的な直観は使っているだろう。その意味でこれは、社会学領域で今もなお飽きることなく繰り広げられ続けている
  常識的主張 対 常識的主張
の闘いの例となっているように思われる。

1-1「その社会的背景」
  • 75からヤンキーシティ調査。

ホーソン実験よりヤンキーシティ調査の方が先に来てるのおもしろいね。

1-2「ホーソーン工場における「社会的実験」」
  • 78に「人間の自己疎外」。ここに「すなわち、労働者の主体的人格したがって積極的労働意欲の喪失、その機械化」と注釈が付いている。
  • 【表 現】 「人間的満足を第一原理とする人事管理」
  • 【テーゼ】 産業社会学(産業における人間関係の科学)と「人間的満足を第一原理とする人事管理」は同時に成立した

[096] インフォーマルな労働集団やその有する集団的統制力の確認は、ホーソン・リサーチのもっとも注目スべき成果であった。新しい労働生産性増強作としてのいわゆる「人間的満足を第一原理とする人事管理」は、ここにその理論的基礎づけと実証的裏付けを与えられるのである。そうして、産業社会学は後にみるように、このような経営政策的実践目的に奉仕する社会工学として成立し、発達したということができる。

1-3「政府・実業および大学における関心の増大」

[098] 1929年の恐慌につづく不況を打開するためにとられたニュー・ディール政策は、私経済の自動的調整力に対する信頼感を失った経営者に代わって、国家による広範な産業等生徒強力な社会政策的施策の推進を可能にし、組合勢力の増大と労働者階級の実業家階級に対する相対的地位の恒常をもたらし、労使関係に著しい変化をひきおこしたのであるが、かような一連の施策に対する不満や反感は当時実業界において無視しえない底流を形づくっていた。とくに第二次世界大戦によって驚くべき潜在力を発揮した実業界は十数年ぶりに自信を回復し、それにともなって反ニュー・ディール運動を積極的に展開し、1943年頃までには主要な政府機関を活動不能の状態に陥れるのに成功したのである。
 時あたかも平和産業から軍需産業への編成替えが刻下の急務とされ、労働力の不足とかそれを補充するための不熟練労働者の増大、めまぐるしい配置転換、あるいは軍需産業の飛躍的拡大にともなう労働組合の組織率の発展等々の信じたいの発生は、経営者に対すると劣らず政府に対しても、労働の生産性を増強する一連の施策の必要を痛感せしめるにいたった。30年代の半ば頃から漸く一般に知れ渡るようになったホーソーン・リサーチの成果(特にその管理技術の体系)が改めて注目の的とされはじめたのは、まさしくかような状況の下においてであった。そしてこの場合、ホーソーン・リサーチは二重の意味と役割とをもって登場した。すなわち、一つには戦力の増強という国家的目的のために、二つには人間関係の改善・調整によって経営能率を増進し、あわよくば政府による産業統制や労働関係の調整から経営の自由性を解き放そうとする個別資本の目的のために。

  • [099] 「いわゆるT・W・I(Training Within Industry)運動の進展(1941年以後)も、これら[研究者]の人々の協力なしには不可能であっただろう。この運動は、…、最大限の協力を確保できるように監督者の統率能力や人物処理の訓練・改善する目的をもって発足し、政府の強力な支援の下に各主要都市に訓練期間を設け、そこで各工場から派遣された部課長級から職長級までの人々に労働管理上の指導を行い、二年間に約50万人を訓練したといわれている。これほど大規模な訓練計画はこれまで全く前例を見ないものであった。
     かように、T・W・Iプログラムは産業社会学のその後における成長に好都合な一般的な風潮をかもしだしたばかりでなく、幾多有能な学者たちを政府機関や実業界に投入し、その実践的問題の回稀有に科学的な基礎づけを提供する機会を与えることによって、斯学の興隆に資するところけだし甚大なものがあった。戦後のアメリカにおける産業社会学のめざましい進展は、こうした学問活動と実際生活の関心の一地によって可能とされたのである。

 TWI研修は、TWIとはTraining(訓練)within industry(企業内の)for supervisors(監督者のための)の頭文字をとったものである。
 日本では、第二次世界大戦後,占領軍によりもたらされ、労働省(現在の厚生労働省)によって敷衍された。2010年(平成22年)現在、日本産業訓練協会(日産訓)や都道府県職業能力開発協会などを中心に、広く行なわれている。
 最近まで、決められたシーケンスに従って行うような仕事、例えば工場の従業員や、店舗の売り場にいる店員などが対象であり,営業マンなどのホワイトカラーの仕事や,医療の現場などの専門職の仕事には講習の内容が必ずしもそぐわないと考えられてきた.しかしながら,…

https://ja.wikipedia.org/wiki/TWI%E7%A0%94%E4%BF%AE

これに関連して、第二次大戦前・最中に各地の大学に多数の「人間関係」に関する研究所ができ、政府管轄下の工場で応用実験が行われた。

  • [101] 合衆国でも、産業社会学は、1945年までは独立部門として認められていなかったが、1946年からは認められるようになった。
    • 部門ごとの研究者数に関する調査(注9)
      ・1945年までは部門として数えられていなかった
      ・1946年 14部門中12位
      ・1947年 18部門中11位
      ・1949年 22部門中05位
    • 注9 "1949 Census of Current Research Projects", American Sociological Review, Vol. 14, No. 4, Aug. 1949, pp. 507 ff.
二 アメリカ労働社会学の発展
2-1「概観」

メイヨーならびにハーバード・グループの「人間関係的方針」について紹介検討します。

  • [103] シカゴの「産業人間関係研究委員会」(1943年設立)
  • [104] 「人間関係的方針」の批判者たち
    • ブルーマー
    • ホーマンズ
    • モーア
    • ダンロップ、デュビン
    • シェッパード、ベンディクス
(二) メイヨーの中心思想

[110] さて、メイヨーの全思想を通観してみると、その根底には多分に中世的・浪漫主義的な社会観が横たわっているのを認める。産業以前の安定社会に見られるような自発的人間協力、つまり慣習や伝統の権威の下で社会における一定の地位と役割を与えられ、相互に有機的な権利義務の関係に立つ人々が、自己の社会的機能(職分)を全うすることによっておのずから社会全体の共同目的を実現していくような協力関係─軽sねこれがかれの理想として描く社会像であった。

(三)「人間関係的方針の完成」
  • [120] ハーバード・グループとシカゴの「産業人間関係委員会」を、レスリスバーガーを中心に紹介する
    • 1936年 ホワイトヘッド自由社会における指導』
    • 1938年 ホワイトヘッド『産業労働者』
    • 1939年 レスリスバーガー『経営と労働者』(要約 1941年『経営と志気』)
    • 1945年 ガードナー『産業における人間関係』
    • 1948年 ホワイト『レストラン産業における人間関係』
(四)現代産業社会構造への文化人類学的接近
  • [133] シカゴ文化人類学・地域研究の素地
    • 1929年 リンド夫妻『ミドゥル・タウン』
    • 1937年 リンド夫妻『過渡期のミドゥル・タウン』
    • 1937年 ドラード『南部の一都市におけるカスト制度と階級制度の研究』
    • 1941年 デイヴィスとガードナー『ディープサウス』
  • [135] ウォーナー『ヤンキー・シティ』シリーズ。特に第四巻の紹介
    • 1941年 『近代知識社会の社会生活』
    • 1942年 『アメリカ地域社会の社会的体系』
    • 1946年 『アメリカ人種集団の社会的体系』
    • 1947年 『近代工場の社会的体系』
〔余論〕「小労働集団の社会心理学的研究」
(五)産業社会学批判の現状
      • 方法論的諸問題に関する疑義
      • 労使関係的方針からの批判
      • 経営者側的立場性への非難
      • 理論的整備への反省

芥川集一(1955)「Human Relationsの意味するもの──アメリカ産業社会学の概説と批判」

via 稲上毅・川喜多喬編(1987)『リーディングス日本の社会学9 産業・労働』 https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p1

日高六郎・北川隆吉編(1958)『現代社会集団論』東京大学出版会、pp. 63-90 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3027946


芥川集一(1955)「Human Relationsの意味するもの──アメリカ産業社会学の概説と批判」「社会労働研究」3巻3号,法政大学社会学
→「小集団研究の史的背景──ヒューマン・リレーションズの意味するもの」

  • 一 産業社会学成立の背景
  • 二 産業社会学の発展
  • 三 ヒューマン・リレーションズ・アプローチ
  • 四 産業社会学の階級性
  • 五 方法論の非合理主義的特質

田中清助(1956)「第一次集団論序説――マルクス主義的理解の前提として」

    • 1 自然発生的静態的第一次集団
    • 2 自然発生的行動的第一次集団

上坂冬子(1959)『職場の群像‪──‬私の戦後史』

識者のご教示による。
なぜ〈人間〉は産業社会学の問題となるのか問題の続き https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p0



isbn:4122008786 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1669367

  • プロローグ
  • 第一章 意気に燃えて
  • 第二章 良心と野心と
  • 第三章 髀肉の嘆
  • 第四章 労使協調
  • 第五章 現代の埴輪
  • 企業の中のH・R論
  • あとがき

鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成」/篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」

総特集:なぜ〈人間〉は産業社会学の問題になるのか https://contractio.hateblo.jp/entry/20220620/p0


鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成:その生成との関連におけるバーナード理論の地位」
香川大学経済論叢 38 (1・2)

  • はしがき
  • 1 人間関係論的基盤
  • 2 経営の手段としての“モラール”形成
  • 三 経営の前提としてのモラール形成
  • 四 人間関係論とバーナードの理論
  • 五 むすび


篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」
商学討究 18 (2) & 18(4)

  • I 序
  • II 経営学方法論と組織論的思考
  • III 人間関係論生成の背景
  • IV 人間関係論の展開
  • V 人間関係論の本質
  • VI 人間関係論の限界
  • VII 結論

鈴木勝美(1965)「人間関係論の生成:その生成との関連におけるバーナード理論の地位」

1「人間関係論的基盤とモラール」
2「経営の手段としての〈モラール〉形成」
  • モラールは第二次大戦中に普及した語
  • 森 五郎(1958)『経営労務管理論』泉文堂 ISBN:B000JAUIMG https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3046534
    • 森によるアメリカにおける労使関係の発展段階論
      • ①18世紀末-19世紀中期:労働立法と社会施設が無い。経営者の温情と慈善。
      • 1880年代-1910年代:「能率増進運動」。1880年代初期のタウン制度、ハルシィ・ロウワン制度~科学的管理法。経営労働の合理化による生産性の増大+生産原価の切り下げを目指したもの。出来高給制度。能率増進を目指しながら怠業を防ぐための試み。
      • 第一次大戦以後-1930年代後期:
  • テーラー証言」
    「「科学的管理の本質として,
    管理者および 労働者双方の側における完全な精神革命(a complete mental revollution)と
    従来の個人的判断や意見にかわって,精確なる科学的調査・知識をもってすること
    の二点を力説」
三 経営の前提としてのモラール形成

ホーソーン実験における面接によるモラール調査の紹介。

四「人間関係論とバーナードの理論」

レスリスバーガー理論とバーナード理論の比較

  • レスリスバーガー先生曰く「モラールと協働的秩序の関係は、肉体と健康の関係に似ている」と。
五「むすび」

篠崎恒夫(1967-8)「人間関係論批判序説」

I 序
II 経営学方法論と組織論的思考
  • 経営組織学説が前提とする人間本性に関する三つの仮説(サイモン)
    • ①組織の構成員,とくに従業員は,受動的な用具であり,仕事を遂行し指示を受ける能力はあっても,自から行動を創始したり,影響を有意義に行使することがないと仮定する命題。
    • ②組織の構成員は,その組織に対して,態度,価値,目標をもたらし,組織行動のシステムに参加するには動機づけないし,誘因が必要であるとし,また,かれらの個人的目標と組織目標との間には,不完全な並行関係が存在し,現実的または潜在的な目標間の衝突が権力現象,態度やモラールを組織行動の説明に中枢的に重要ならしめることを仮定する命題。
    • ③組織の構成員は,意志決定者であるとともに問題解決者であり,認識や思索の過程が,組織の行動の説明に中枢的な役割をもつことを仮定する命題。
  • テイラー先生の四つの大目標:
    • ①真の科学を発展させる
    • ②労働者を科学的に選択する
    • ③労働者を科学的に教育し、啓発する
    • ④管理者と労働者とを親密に協働させる
  • 野口祐(1960/1963/1975/)『経営管理論史』森山書店 ISBN:B000JAQO8S ISBN:4839414254
III 人間関係論生成の背景
  • [101] 「管理組織研究が作業組織から企業の管理機構全体へと対象領域を拡大したのは,
    第一次世界大戦後の産業合理化運動,なかでもその中軸をなしたフォード・システムの一般的普及,
    ・発展による生産の物的・技術的基礎の変革,および
    ・資本の集中,なかんずく垂直的結合運動の発展による企業の質量的発展等によって規制された独占資本の経営実践上の要求
    を反映してのことである。1920年代の組織研究が追求した職能中心のフォーマルな組織原理も当時における巨大なトラストを全体的,統一的に支配運営するための管理機構の整備を必要とした当時の独占資本の経営実践の要求を反映したものである。」
  • ルイス・M.ハッカー(→1958)『アメリカ資本主義』安村 欣次訳、新紀元社 ISBN:B000JATYEE https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3016498
IV 人間関係論の展開
V 人間関係論の本質
VI 人間関係論の限界
VII 結論