涜書:クワイン『論理的観点から』

論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章 (双書プロブレーマタ)

論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章 (双書プロブレーマタ)

クルター論文に登場する「指示の不透明性」の出所と含意を確認すべく、「経験主義の二つのドグマ」「指示と様相」ほかいくつかを参照しつつクルター論文を再読。

Ethnomethodology and the Human Sciences

Ethnomethodology and the Human Sciences

  • Jeff Coulter, "Contingent and A Priori Structures in Sequential Analysis", HUMAN STUDIES, Vol. 6, No. 4, 361-376, October 1983.

1983年論文を読んだときに、「なにいってっかわかんね」と思いつつも放置してたんだけど、「Logic」論文のほうに再度顔を出していることがわかったのと、これが83年論文中の「様相の特定」というキャッチコピーに関係していることを思い出し、やはり確認せねばと思い直す。



「指示と様相」論文のほうは、<様相論理学に顔を出す 不透明な指示 という問題に対するこれまで提案された「分析的」な方針にもとづく打開策は、論者の つもり に反して、アリストテレス的な本質主義形而上学を前提としたものになってしまう(からだめだ)>が趣旨。
で、「分析的」〜「アリストテレス本質主義」という論点でもって、読者は「二つのドグマ」論文に引き戻される事になる。
──という話はそれとして、この話とクルターの議論がどう関係するのか。
要再考。

関係あるとしたら、「指示の不透明性は、対象の──属性によってではなく──与えられ方によって生じるのだ。それを無視しちゃダメだ」(大意)というところかなぁ。...

『社会の芸術』続報

ISBN:4588008005
もはやどのくらいあてになるのか定かではないが、再度再度10月29日発売11月9日発売とのアナウンスが。
っていうか修正されて頁移動してるよ.....。

11月9日発売

  • 定価7980円(本体7600円+税)四六判
  • N. ルーマン著/馬場 靖雄 訳
  • 《叢書ウニベルシタス800》
  • 社会の芸術
  • ISBN4-588-00800-5 C1336
  • 多様性と個性の世界──芸術。しかし、芸術は一体どのようなシステムだろうか。それはまた、社会システムの中でどう存在するのか。直観と想像力、知覚とコミュニケーションの機能に注目しつつ、システムと環境、メディアと形式、観察の一次性と二次性、自己言及と他者言及、等々の差異・区分によって芸術システムを究明し、他の社会的諸機能システムとの相互的な刺激の可能性を示唆する芸術の社会理論。
  • 社会学・芸術〕

というか 何 だ こ の 値 段 は。

涜書:クルター「会話分析・論理文法分析における偶発的かつ先験的な構造」

  • Jeff Coulter, "Contingent and A Priori Structures in Sequential Analysis"(1983)
  • クワイン「経験主義の二つのドグマ」



昼食。
ひょっとして クルター先生、「modal specification」って言葉を、「turn type の同定」とほとんど同じ意味のつもりで謂っている*、ということなのか? ──が、この解釈はあまり楽しくない。というか たいそう楽しくない気がする。だって言い換えてみた利得**がわからないじゃないの。

* 「ターンタイプの同定」は「様相の特定」の(ひとつ、あるいは、その) よ う な も ん だ、と。
** もちろん、もっともベタな利得の可能性は、<「様相」についての哲学的な考察が、ここでのターンタイプの同定に関する議論に「応用・転用」できる>、というものだが。しかし応用ってなんだ。