- 1 機能と構造のディレンマ
- 2 目的/手段の性格づけの相対性
- 3 プログラムの構成:多段階性
- 4 プログラムの構成:多節性
- 5 プログラムの構成:時間的秩序
- 6 問題と問題解決
- 7 コントロール
- 8 組織
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基本となるこの発想を、以下では五段階にわたって追及していくことにしよう。まず、
- (1) 目的設定の機能を、一定の機能を担う構造へと移す可能性を確認する。同時に、機能と構造のこの収敏がもつ限界も明らかになるだろう。この議論のなかで、機能と構造の関係という一般的なディレンマがより具体的なかたちを取って現われることになる。すなわち、
- (2) 目的/手段の性格づけがもつ相対性と非同調性に関わる問題として、登場してくるのだ。2節ではこの点について論じる。
- (3)〜(5) そこから、目的に指向する作業がもつ複雑な構造がいかにして形成されるか、またそれがどのようにして一般的決定前提(プログラム)によって実行されるのかが、概略的に明らかにされる。それに続いて、
- (6) 目的プログラミングが果たすべき課題を解明することにしよう。その際導きの糸となるのは、解決されえない(永続的な)システム問題を、決定という解決可能な問題へと変換するという観点である。
- (7) この種のプログラミングは、すべて柔軟性を欠いている。それゆえにコントロール装置を必要とするのである。そのような装置として考えられるのは、監視する地位である。そこでは、プログラム化された問題解決を疑わしいものと見なすことができる。目的構造が環境に及ぼす影響を管理し、必要な場合には目的プログラムを修正できるのだ。それによって、環境についての認識が改められる場合でも、あるいは環境が変動した場合でも、プログラムを適合させることができるのである。
- (8) これらすべての問題を考慮しつつ、他の決定の前提についての決定がなされねばならない。そのためには、最後に論じるように、組織が必要なのだ。