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  • 1 システム/環境理論
  • 2 目的機能
  • 3 目的の特殊化、環境分化、問題解決の一般化されたメディア
  • 4 目的設定の規定度
  • 5 目的設定の矛盾
  • 6 機能的等価物

118 四章の構成

目的設定の機能についての問いに応えるためには、行為システム──ここでは社会システム──の理論という枠組みを用いなければならない。…

  • (1) 我々の出発点となっているシステム理論的アプローチを最小限の範囲で明らかにしなければならない。
  • (2) それから、第一章の議論をシステム理論へと翻訳してみたい。第一章では単独行為のレベルに狙いを定めて、行為の因果的解釈と目的/手段図式を取り扱ってきた。それをシステム理論に移すことによって、次の問への答えをも探ってみることにしよう。すなわり、行為が結果の実現として、あるいは目的に対する手段として解釈されるとき、それはシステムにとってどんな機能を担っているのだろうか。
  • (3) 次の節では、この解釈の前提となる、環境及びシステム内部での一定条件(分化と一般化)を明らかにしたい。
  • その際、目的ですら定量として存在するものとはみなされえないことが明らかになる。目的は機能的パースペクティヴの中で、達成される必要があるものとしてとらえられる。つまりそれは目的「変数」なのである。
    • (4) 目的は、さまざまな様式と方法で実現されうる。規定された形式を取ることもあるし、無規定なかたちになることもある。
    • (5) そしてそこから生じる帰結については、多かれ少なかれ矛盾した判断がくだされるのだ。
      • これと関連する問題を解明するために、続く二節が必要とされる。社会システムを目的プログラムにつなぎとめておくためには、いくつかの先行条件が必要である。またそこから独特の一面性と、一定の問題が派生してくることがわかる。4,5節ではこれらの点を明らかにしてみたい。
      • 特定の問題解決に伴うこのような条件依存性と「逆機能的な結果」を解明してこそ、その解決と機能的等価物とを有意義に比較することができるのだ。
  • (6) 最後の節ではこの比較が行われる。言うまでもなく、比較によって地平が拡張される。そのなかで、次の問への答えを探し求めることが可能になるだろう。
    • 目的設定のオルターナティヴは存在するのだろうか。必要な場合に同じ機能を満たしうる他の装置としては、どんなものがあるのだろうか。