III-V 歴史的アプリオリとアルシーヴ

[言説の]ポジティヴィテの形態(そして言表機能が作動するための諸条件)が定めるのは、諸々の形式的同一性、テーマ的連続性、諸概念の転用、論争の作用といったものが 場合によってはそこで繰り広げられうるような、一つの領野である。こうして、ポジティヴィテは、歴史的アプリオリと呼びうるようなものの役割をはたすのである。
[…] この表現によって私が指し示そうとしているおは、諸判断にとっての妥当性の条件ではなく、諸言表にとっての現実性の条件であるような、一つのアプリオリである。問題は、[…]諸言表が出現するための諸条件、それらが他の諸言表と共存する際に従う法則、それらの存在様式の種別的形態、それらが存続したり変換されたり消え去ったりする際に従う諸原理を、ほかから切り離して扱うことなのである。それらは[…]所与の一つの歴史、つまり実際に語られたことの歴史にかかわるアプリオリなのである。[242]