2 本論

「できる」と「持つ」ことの概念的な連関

2-1

  • 経済システムとは: 単純な消費行動を超えて人間的欲求を充足することを時間的観点で確実にするという機能を持つ社会的行為からなる社会システム
  • 二分法図式
    • 論理: 例えば論理としては、それは束ねられた諸真理、つまり手元にありいつでも再現できる知の獲得の上に成り立つ累進的な諸作動の前提である。それはここでは、単純化された、産出の文脈に依存しない諸条件のもとでの知の再生産に役立つ。
    • 所有: 欲求充足が時間的に先に延ばされるとすると、社会的発展のきわめて早い段階で、誰が何を持つか否かについて明確であるような状況が作り出されなくてはなるまい。つまり、確実になしうることというのが持つことに依存する限りで。こうした分化は占有を通じてほとんど自動的に進みだす。
  • 所有は──財の再生産にではなく──二分法的に図式化された動機構造を伴うコミュニケーション状況の再生産に役立つ