第2章「オートポイエティック・システムとしての社会の経済」

社会の経済

I

  • [35] 古典的経済理論が考察したのは 財の量不変の原則が当てはまらない状況。
    だから、労働という要素に基底的な意義を認めた。
  • [48] 「欲求」は、すべての人が経済に包摂されている状況を特徴付けるゼマンティクである。
    階層社会では欲求を持つのは貧しい者たちだけだったが、18世紀も最後の三分の一に至ってついに、人間が自分の将来に対してもつ〈自然のままの〉関係を表すものとなった。
    人間の友ミラボー先生曰く「人間に関する自然的秩序の法則、それは欲求をみたすということである」と。

「だから労働に」で言いたいのは、前件に答える理論構築のアイディアとして、当時は「労働」を採るしかオプションがなかった──だけど今は違う──と言いたいんだろうね。

「欲求」の話ししてるところに共生メカニズムが出てこないね。そもそも索引にない。
52に「偶発性定式」初出。

V:貨幣と欲求、希少性:経済システムの開放性と閉鎖性

VI:象徴的に一般化したコミュニケーション・メディア

  • [56] 「貨幣というメディアのもつ最も重要な効果は、社会全体のレベルで言えば、〈支払いが第三者を宥める〉ことから生じる。」「或るひとつの行為(希少な財の占取行為の選択)は、貨幣というメディアのコードを通じて、第三者にとってのたんなる体験に変換される。」

これはもともと所有コードの特徴として広く語られてきたこと。
57に「技術化」。

VII:分業と市場

VIII:経済と経済学

経済的活動における「欲求」と研究活動における「対象」にはパラレル。どちらもそれによって開放性と閉鎖性を可能にする。