III 機能分化への移行

  • 〈領主 Herr/領邦 Land〉区別で特徴づけられる秩序の性格について。
    • 戦争遂行に関連して、軍需品管理や財務管理にかかわる組織が発達した。
    • これがのちに領邦国家 Territorialstaat が発展してゆく土台となった。
  • この状況では「政治的機能のための継続的な備え」と「特定の支配者や王朝が権力的地位を維持する」こととが区別されない。
  • これが、次のことによって決定的に変化する:
    • 政治が国家概念によって個別化してゆき、
    • それに相応した官僚制的組織が作り上げられてゆく中で政治が個別化してゆく
  • 国家というかたちで集権化された政治は、成層分化という形式を掘り崩してゆく
    • これによって「貴族」は国家制度となり、旧来の秩序表象の維持には無理が生じてくる
      • これがのちの「革命による貴族の廃止」の可能性条件を与えた。
  • ここでは新しく、「政治と経済の関係」が問題になってくる。
    • 重商主義: 経済を政治目的に従属させようとした。→経済の成功によって維持できなくなった。
    • → 18c. 重農主義: 国家は自由な経済活動を保証する役割を要求された。
      • つまり、国家目的が「安全」になった。
514 変異と選択の分化
  • 変異と選択の分化は旧秩序のもとで、政治的支配の設立と安定化を課題として達成された:「公職」や「王朝」といった構造形式は安定性の問題に対応している
  • 近代に入るとこの事情が変化する
    • 構造的選択と安定化が同一であるあり方が解消されていく→解の一つが「民主制」
515 選択と安定化の分化:「再安定化」のシステム論的解釈

「リベラルな立憲国家」から「福祉国家」への発展についての再解釈。

  • 「意見のコンフリクト」や「利害のコンフリクト」の浮上→コンフリクトの政治的決着を可能にするとともに、同時に決定基準の問題を解決できるような実践的な政治の形式の模索
516 進化上の成果の保持 vs. 作動・構造による境界の撹乱
  • 二つの事実領域
    • 「リベラルな立憲国家から福祉国家への発展」
    • 国民国家やリベラルな立憲モデルが世界規模で現実化するさいの困難」