お買いもの:クルツィウス『ヨーロッパ文学とラテン中世』

キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

ヨーロッパ文学とラテン中世

ヨーロッパ文学とラテン中世

土曜日に読んだHughes & Sharrock『The Philosophy of Social Research』で「commonplace」という語をみかけたので、ふと思いついて久々に古書店を検索してみたところ、10k(泣)で出ていたよ。
アマゾンだと 19k で出ているねw。
つーか、いつのまにか再刷された?? 買えるようになってますね。定価15Kだけどw。


ちなみに──前にもルーマンがらみの話題でリンクを張った先ですが──、「トポス/トピカ」についてはここ↓を参照のこと>読書会参加者

E. R. クルツィウス 『ヨーロッパ文学とラテン中世』
第4章「修辞学」 3.「古代修辞学の体系」

[……] 要するにすべて弁論(賛美の弁論もふくめて)の狙いは,一つの命題もしくは事柄をもっともらしく思わせることにある.それには聴き手の悟性もしくは心情に訴える論法をあやつることが必要である.ところで,多種多様の場合にも応用されうるような一連の論法が存在する.それは自在に発展せしめ変化せしめるのに適した思想的テーマであって,ギリシア語ではκοιυοι τοποι,ラテン語では loci communes と呼ばれる.古いドイツ語では《Gemeinörter》と呼ばれ,レッシングやカントもこの言い方をしている.そののち1770年ごろ,英語のcommonplaceにならって《Gemeinplatz》の造語が生まれた.しかしこれでは本来の使用法がすでに失われているので,ここでこの語を使用することはできない.それ故われわれは,ギリシア語の「トポス」(topos,複数はtopoi)をなお使用することにしよう.[……] 古代にはこのようなトポスの収集が行なわれた.そしてトポスに関する学問は「トピカ」(topica)と呼ばれ,独立した書物で扱われた.
このように本来トポスは弁論作製のための補助手段である.それはクインティリアヌス(V 10, 20)がいうように,「論法の庫(くら)」(argumentorum sedes)であり,したがって実際的な目的に役立つものである.しかし[……]これらのこと[省略箇所を指す]は,まさに,修辞学がその本来の意味と存在目的を失ったことを意味する.その代わりに修辞学は文学のあらゆるジャンルへ参入した.その精巧をきわめた体系は,文学一般の公分母ともいうべきもの──形式理論と形式集成になった.これは古代修辞学の歴史における最も重大な発展である.そしてこれとともにトポスもあらたな機能を獲得する.すなわち,トポスは文学全般にわたって用いうる常套句(クリシエ)となり,文学において把握され形成された人生のあらゆる分野にひろがった.[……]


ところでこれは売り切れですか.....

近代とは何か―その隠されたアジェンダ (叢書・ウニベルシタス)

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