ルーマン「行政学における機能概念」「経済的な行政行為は可能か?」

朝食。

  • Niklas Luhmann, "Der Funktionsbegriff in der Verwaltungswissenschaft", Verwaltungsarchiv 49 (1958), pp. 97-105
  • Niklas Luhmann, "Kann die Verwaltung wirtschaftlich handeln?," Verwaltungsarchiv 51-2 (1. April 1960), pp. 97-115



読書会速報:

11パラグラフ

「上位単位」のこと
これはよく分からなかったの……。「ハイアラーキーの頂点というイメージがあるけどどうなんだろう」みたような話が出てたけど、それで「上位単位」の内容が具体的にどうなってるのかよく分からなかった。組織の目的、ということなのかな。

席を外しておられたその一瞬におこなわれていた議論において確認されたのは、こんなことでした:

「機能分析・機能図式-における/のための-〈上位単位〉」と聞けば、ふつう「ハイアラーキーの頂点」をイメージする(し、実際、「ふつうの機能分析」はそうなっている)
しかし ルーマンのここでの議論では、「上位単位」は、「比較に際して参照されるポイント」「比較・交換可能性にそのパースペクティヴを与えるポイント」を指している(だけである)
したがって、〈上位単位〉は「組織のハイアラーキー」とは独立の概念であり、ふつうは「組織のハイアラーキー」の下位に置かれるだろうものでも「機能分析の〈上位単位〉」になりうる。(大意)

たとえばその次の12段落では。近代の官僚制的行政機構には二つのメジャーな機能的編成があり、一方では、

    • 行為を、それを行うひとの職務 という観点から捉えることもできるし

他方では、

    • 行為を、それが恊働の継続に対して与える結果=効果 という観点から捉えることもできる

‥‥云々と述べられていますね。 前者においては 〈上位単位〉は組織目的(=組織の看板・建前)であり、後者においては 〈上位単位〉は恊働の継続条件(=成員の動機づけ・やる気、体制についての共通了解、良好な環境などなど)、です。

そこで、「組織」を言及システムにしたときに、そこでの機能分析のための〈上位単位〉として「組織目的」だけをとってしまうと おかしなことになるよ、云々、と話がつづいていくわけです。


ところで、「非公式組織」という経営学・組織論の伝統的な概念については──概念的な混乱をさけるために──たとえば「非公式グループ」という言葉をあてるひともいるようです。