夕食。俺がいちからコチーク(・∀・)シュギ!を勉強するスレ。俺コチ。
- 作者: 中河伸俊,北澤 毅,土井隆義
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
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の周辺。
2-(1)「一般理論への欲望」
■イバラ&キツセ(@『社会問題の構築』)の主張[p.28-29]:
- 旧来の社会問題研究における主流的アプローチは、
- IK1. さまざまな社会状態(犯罪、売春etc.)を、その場しのぎのやりかたで 一括りにしてしまっている。(それによって「社会問題」という概念も、理論的精密さを欠いた・適用範囲のわからないものになってしまっている。)
- IK2. 「社会問題」概念を充分には理論化していない。
■ボーゲン&リンチの批判[p.29]:
- BL1. 〈社会問題を正しく理論化する〉というその挙止は、
- BL2. イバラ&キツセは、このゲームにおいて、〈社会問題の専門的な分析〉と〈イディオムによる産物として社会問題を構築する 前提・慣習・カテゴリーなどのありかた〉とを、簡潔かつ明確に区別している。それによって、
- →社会問題に関する社会学的な知識と常識的な知識の間には違いがあること を示そうとすることが可能になる。
- →「クレイム申し立ての活動」を「社会問題それ自体」として研究することが可能になる。
BL1 のまとめに自信なし。これでいいのだろうか。
このまとめでよければ。
BL1 は、システム・リファレンスの取り違え──「二次の観察」と「一次の観察」の取り違え──を指摘したものだ、と理解できる。
2-(2)「言語ゲームの基底性と複数性」
こちらほうでは、別のいみでのシステムリファレンスの取り違えが指摘されている:
[さまざまな「言語ゲーム」は、単一の認識システムを形成しはしない。それは]「社会問題」についても同様である。イバラとキツセが探求しているはずの多様な「言語ゲーム」は、クレイム申し立ての組織化を通じた、一般的な「社会問題のプロセス」という旗印のもとに、容易に納まるようなものではない。[‥] 社会問題の言語ゲームすべてが、異なる立場からの申し立ての応酬という形式をとる必要性はない。ボーゲンとリンチは、イバラとキツセのしていることは、チェスにおけるある手が、ゲーム一般に置ける指し手であると言うようなものだと言う。[p.31]
こちらでは、個々の「観察される(=一次の)システムたち」への(複数の)システム・リファレンスの違いが無視されていることが問題となっている。──ように読めるのだが、ちょっとこちらも微妙。
- ボーゲン&リンチによる批判についての解釈[p.31]:
- BL3a. ホルスタイン&ミラー[1993]は、この批判を、〈イバラとキツセは 分析の対象を構成してしまっている〉というもの*だと考えたが、* 「研究者が、さまざまに解釈可能なある指し手を「社会問題」として構成してしまっている」という批判そうではなく、
- BL3b. 批判の要点は、〈イバラとキツセが、現象にもともとあった豊かさを切り約めてしまった〉ということのほうにある。
- BL3a. ホルスタイン&ミラー[1993]は、この批判を、〈イバラとキツセは 分析の対象を構成してしまっている〉というもの*だと考えたが、
ふむ。
BL3a は、〈二次〉の(反省的な)話だけど、BL3b は〈一次〉どうしの話だな。そうするとやはり、BL1 は上のまとめではまずいのかな....????
ところで、
って、心に染みる いーい言葉ですねぇw。
3節末尾:
従来の社会学においては、しばしば、ある特定の「常識的な理解」への反論が、常識という集合全体への反論を意味していると想定されている。他方、EM研究は、ひとつの「常識的な」理解への反論が、その他の「常識的な」理解を前提にしており、根本的な意味でそれに依拠していると想定している。私たちは、常識と言う船に乗って、大海原をいままさに航海中なのである。[p.34-35]
この主張↑は、馬場論考末尾のこの見解↓に対する反論になっているように思われますがどうでしょう:
西阪は研究者による一般的カテゴリーの押しつけ自体を断念して、当事者によってそのカテゴリーがそのつど使用されていくさまを記述するべきだと主張する。しかしこの一般的方針自体は、決して失敗しえない。それは、裏返しの一般理論となってしまっているのである。[p.57]
「裏返しの一般理論」といえるためには、EM側が「常識は一枚岩だ」という主張をしている必要があるのではないですかね。
そうではなくて、「我々は、船から降りることはできない(〈修理〉をするにも、材料も用具も船内で調達しなければならないし、しかも ゴーイングコンサーンw でやらざるをえない)」というのがEM側のクレイムだ、というまとめで。
と、油ばかり売っているので仕事がぜんぜん終わらないわけだが。