涜書:高尾『組織と自発性』

高尾本週間の朝食。
第5章と補章あたり。

組織と自発性―新しい相互浸透関係に向けて

組織と自発性―新しい相互浸透関係に向けて

補章は「3つの自己準拠」概説。
第5章における〈構造的カップリング/相互浸透〉概念の腑分けと扱いは微妙*。
構造的カップリング」が一方的、「相互浸透」のほうが相互的な概念であるのなら、──常識的に考えると── 両者を「二者択一」的に扱うのではなくて、「前者のほうから後者を論じる」のが筋ってもんじゃないのだろうか。

これもルーマンに尋ねればよいのか著者に尋ねればよいのかよくわからん疑問だが。

そうではなくて、考えているのがもっと別の事、たとえば「この用語選択は、対象選択──区別の選択──に依存したものだ」といったことであるのなら、

つまり「〈個人/社会〉という区別を扱う の で、この概念を使用するのだ」というのなら

単にそのように書けばよいだけの話**。



* 典拠は石戸2003:
教育現象のシステム論 (教育思想双書)

教育現象のシステム論 (教育思想双書)

** そちらのほうは注に書いてある。
まぁそのやりかたでは私は納得しないけど。それはまた別の話。