こういうの 久しぶりにみた**。
- 作者: ウヴェペルクゼン,Uwe P¨orksen,糟谷啓介
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
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http://www.fujiwara-shoten.co.jp/book/book694.htmプラスチック・ワードの蔓延
糟谷啓介
プラスチックのように思いのままに姿を変え、人工的で、空虚なことば、それは資本主義と社会主義の対立をこえて、現代社会の根底から発した言語現象である。現代の支配的な言語表現は、たかだか30個ほどのプラスチック・ワードの組み合わせからできている。それをあやつるのが専門家や行政官たちであり、わたしたちの生活世界はこのプラスチック・ワードによって「植民地化」されつつある。プラスチック・ワードは一撃で倒せる敵ではないのだ。ペルクゼンは、わたしたちがおかれた状況を冷静に把握することがプラスチック・ワードの支配から抜け出すための第一歩であると言っているかのようである。言語における近代批判
著者自身が述べているように、『プラスチック・ワード』という発想の産婆役となったのはイリイチである。たしかに、ペルクゼンの思考には、イリイチの根源的な近代批判との共鳴がはっきりと聞きとれる。その点からいえば、本書はイリイチの思想を言語の領域で存分に展開したものだといってもよいだろう。
近代科学批判という側面からいうなら、フッサールによる「生活世界の数学化」批判、ハーバーマスによる「生活世界の植民地化」批判などとの結びつきが思い浮かぶ。とくに後者は、ルーマンのシステム論――「システム」はプラスチック・ワードの代表選手である――との対決から生まれたという点で親近性が見られるだろう。本書で用いられる「植民地化」という概念は、おそらくハーバーマスに由来するものである。 [...]
それで、「生活世界」なる恐ろしく可塑的かつ空虚な言葉は「プラスチックワード」なのかどうなのか。あとで本屋で確認してみようと思います。
** 1988年刊らしい。さもありなん。