三宅雄彦「公法理論と価値秩序(2)」

承前:http://d.hatena.ne.jp/contractio/20080828/p4

  • 三宅雄彦(2002)「公法理論と価値秩序: 価値哲学と精神科学における法の現実化 (2) 」 in『早稲田法学』(早稲田法学会)77-3, p.99-124


これは面白かった。あとでまた読む。
スメントってウルトラにベタな、文字通りの「精神科学」を追求してたのね。勉強になった(&驚いた..... 信じられん)。

  • 三 公法学における価値理論
    • 2 ハルトマン価値倫理学
      • 非合理主義と価値専制
      • 被客観化精神としての法(被客観化精神の基本構造/被客観化精神の中の理念/被客観化精神としての法)
      • 価値秩序の人格的現実化(自体的存在者としての理念/価値感情による価値認識/人間による価値の実在化)
      • 小活
    • 3 公法学の中の価値秩序
      • 価値現実としての法現実
      • 二種類の精神科学的方法
      • 価値秩序論争の収斂地点
      • 小活
    • 4 小括
  • 四 結語
三宅雄彦(2002)「公法理論と価値秩序: 価値哲学と精神科学における法の現実化 (2) 」

結論

[スメントへのフォルストホフの批判においては、] 国家現実の経験把握を遂行する有名な統合類型理論は捨象され、価値理念の直観統握を企図する同じく著名な精神価値法則のみが俎上にのぼる。その結果、[フォルストホフの、]法則を精神の告知と見る現実志向の法統握理論からは、スメント統合理論は、理念=事実の弁証法運動を破壊する、経験事実無視で価値理念一辺倒の、単なる自然法学の再興でしかない[‥‥と誤認されることになってしまったのである]。 [...] 結局のところ、スメントとフォルストホフの間に法実証主義自然法論の典型論争を見た支配的解釈は、幻想である。[113-114]


※参照文献:

N・ハルトマン自由論の研究

N・ハルトマン自由論の研究

いちまん円♪


■ヘルムート・コーイング(1912-2000)にはけっこう翻訳がある。

古書が安いなぁ。どっかの大学で教科書指定されてたんでしょうねw

年関係は、

ルーマン制度としての基本権』は 1965年。


ほかにこんなPDFが。これもあとで読むことにしよう。

  • 「政治的体験の概念と精神科学的方法」
  • 公法学行政学・精神科学」


真理と方法 1 哲学的解釈学の要綱 (叢書・ウニベルシタス)』がみつからん。かわりに『オントロギー(事実性の解釈学) (ハイデッガー全集)』読んだ。
論理学研究 3』もみつからん。困った。