涜書:ベック『世界リスク社会論』/ルーマン『近代の観察』

書籍に索引を付けないすべての出版社と編集者に災いがありますように。


リスクネタ(id:contractio:20110326)の続きで再訪。

世界リスク社会論 テロ、戦争、自然破壊 (ちくま学芸文庫)

世界リスク社会論 テロ、戦争、自然破壊 (ちくま学芸文庫)

近代の観察 (叢書・ウニベルシタス)

近代の観察 (叢書・ウニベルシタス)

  • 言葉が失われるとき──テロと戦争について
    • 1 世界リスク社会とは何を意味しているのか
    • 2 テロと戦争
    • 3 経済のグローバル化新自由主義
    • 4 国家と主権
    • 5 展望──世界リスク社会のチャンスについて
  • 世界リスク社会、世界公共性、グローバルなサブ政治
    • 1 世界リスク社会論の準拠点
      • i 自然とエコロジーという概念のあいまいさについて
      • ii 現実主義・構築主義論争
      • iii 自然と社会の際の社会的構築、およびその社会学滴再構築について
      • iv 保障可能性の限界
      • v グローバルな危険の類型学
    • 2 世界公共性とグローバルなサブ政治の徴、成立条件、表現形式
    • i サブ政治の概念について
    • ii シンボリックに演出された大衆ボイコット、グローバルなサブ政治のケーススタディ
  1. 近代社会における近代的なるもの
  2. ヨーロッパの合理性
  3. 近代社会の固有値としての偶発性
  4. 未来の記述
  5. 非知のエコロジー
検索語 google:ルーマン+近代の観察 の順位が8位まで落ちていた。のでリンクを張っておく。 ■ベック 第2論文は1996年に書かれたもの。第1論文は2001年11月にモスクワで行われた講演。 第1論文「言葉が失われるとき」。準拠問題:
  • 自由な世界経済における危機と対立の可能性を適切に制御できる拡張された政治概念を、わたしたちは必要としています。
  • また、この転換を自分たちの責任として引き受けるようなアクティヴな文明化社会や市民社会や社会運動に対する理解を、わたしたちは必要としています。[p.48]
「拡張」の必要性とはなにか。 第2論文「世界リスク社会、世界公共性、グローバルなサブ政治」。 なに言ってっか さっぱりわからん。二度と読みたくない。 こんな感じの文章が延々と続く:
 多額の投資が継続的な合意を前提としながらも、この合意が単純な近代化の古いルーティンではもはや保証されず、危険にさらされるという意味で、世界リスク社会において産業プロジェクトは政治的な営みになります。
例えば、ブレント・スパールといった廃棄物の問題や、また生産様式や生産計画にみられるように、これまで閉じられた扉の背後で「物事はそうなるものだ」と取り決められ、実行されてきたことが、公共的批判の集中砲火にいまや潜在的に耐えていかなくてはいけなくなるのです。
 これは、行政と国家と経済と科学との間にあった古い「進歩への連携」に対する信頼がもはやなくなったことの結果です。産業はたしかに生産性を高めますが、同時に正当性というものを危うくしてしまうからです。法規定は、もはや社会平和をもたらしません。なぜならば、法規定は危険によって生活に対する脅威を一般的なものにし、正当化するからです。その結果、政治と政治でないものの転倒という事態が生じます。政治が非政治的なものとなり、非政治的なものが政治的なものとなります。サブ政治の時代がやってくるのです。[p.104]
なんだよこれ。寝言か譫言か自動筆記か、という。 語用例:
 いま述べてきたことはすべて、世界リスク社会の診断によっても確認されています。というのも、そうしたグローバルな危険化は、すべて一緒になって、これまで確立されてきたリスク理論の基板を掘り崩し、失効させ、予見できるリスクの代わりに制御するのが困難な危険が支配する世界をもたらすからです。[p.109]

■ルーマン 「非知のエコロジー」 まぁラフスケッチ的な「エッセイ」なので、これをもとになんか言うのは厳しいよね。
I
II
III
III節までの議論は要らないだろ。
IV
  • 不確実性の吸収
  • 「管轄外のコミュニケーション」
V
  • バルタザール・グラシアンと修辞学の没落
  • 倫理学の対応: 振る舞いにかんする教説から道徳的判断の根拠づけの理論へ
    • 上位階層への関連づけの消失
    • 倫理と美学の分離
VI
  • 契約と美的感覚:諸個人による相争う妥当請求を、利害および感受性として承認すること。
    契約と美的感受性においては、「確実な知識」は必要がない。
  • →「個人主義
  • p.146 [洗練された政治作法としての]「了解」
VII
VIII 分析水準の変更:組織
  • p.154 「組織が 知りえないことどもと折り合っていけるのはいかにしてなのか」
IX
要らない。