おうちにある本を読むよ。ひさびさに再訪。
- 作者: 佐伯胖,松原望
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2000/01/01
- メディア: 単行本
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http://www.qmss.jp/qmss/related/stat05.htm
- 序 実践としての統計学 (佐伯 胖)
- 第1章 必要とされるときの統計学──理論の「わかりやすさ」 (松原 望)
- 第2章 データを読む──相関分析、主成分分析、因子分析の意味をさぐる (佐伯 胖)
- 第3章 因果関係を推定する──無作為配分と統計的検定 (高野 陽太郎)
- 第4章 仮説の統計的評価とベイズ統計学 (繁桝 算男)
- 第5章 統計の実践的意味を考える──計量分析のエスノメソッド (佐藤 俊樹)
- 5.1 統計解析の「意味」
- 5.1.1 氾濫する「ハウ・ツー」
- 5.1.2 「手順」と「メタ手順」
- 5.1.3 意味の二つの意味
- 5.2 統計学と計量分析
- 5.2.1 記述統計の場合
- 5.2.2 両側検定と片側検定
- コラム 5.1 「平均人」という人工人間
- 5.2.3 消せない飛躍
- 5.2.4 計量の「不純さ」
- コラム 5.2 回収率の「良し悪し」
- 5.2.5 二つの論理
- 5.3 計量社会学のエスノメソッド
- 5.3.1 社会調査という経験
- 5.3.2 変数の意味の自由度
- コラム 5.3 訪問先の「良し悪し」
- 5.3.3 データ行列を「読む」
- 5.3.4 「統計オタク」と「調査オタク」
- 5.3.5 計量手法の使われ方
- 5.3.6 制度をあつかう
- 5.3.7 統計解析の生かし方
- 5.3.8 データを分析する面白さ
- コラム 5.4 「信心」と「信仰」
第5章
p.197
前節でみてきたように、統計学の論理と実際の計量分析の間には、ずれがある。a) 統計学的な論理一貫性と b) 計量分析での有用性 は 一致するとは限らない。だとすれば、実践的に意味のある統計学にするには、たんに統計学内部での論理を明確にするだけでは不十分である。計量分析の進め方から、つまり b) の視点から統計解析のメタ手順をコントロールしていくことが必要になってくる。
前節では 統計学の基本的な部分に関してそれを考えてきたわけだが、より具体的な統計手法の使い方のレベルになると、社会科学といった大きな準拠枠ではなく、社会学、心理学、工学など、それぞれの学の「実践」practice から考えていかなければならない。有用性=どう役に立つのかは、社会学、心理学、工学……という個々の研究分野のいわば「エスノメソッド」(各分野ごとの固有なやり方・思考法)を知る必要がある**。** 別のいい方をすれば、社会学の、心理学の、工学の、…、それぞれの計量分析のエスノメソドロジーが必要なのである。[...] ここで考察しようとしている統計学と計量分析との関係は、エキスパートシステムとCSCWの関係にかなり近い(福留 1994)。
参照されているのは、
- 福留恵子(1994)「グループウェアの現状と最新動向」『研究開発マネジメント』7
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