涜書:ハッキング『表現と介入』

ひさびさ。

表現と介入―ボルヘス的幻想と新ベーコン主義

表現と介入―ボルヘス的幻想と新ベーコン主義

Representing and Intervening: Introductory Topics in the Philosophy of Natural Science

Representing and Intervening: Introductory Topics in the Philosophy of Natural Science

第1部 表現すること

第2部 介入すること

  • 9 実験
    • 階級とカースト
    • 帰納と演繹
    • 理論と実験と、どちらが先に来るのか
    • 注目すべき観察(E)
    • 理論への刺激(E)
    • 意味のない現象
    • 幸福な出会い
    • 理論-歴史
    • 理論家、アンペール
    • 発明(E)
    • 理論を待機する多数の実験的法則(E)
    • 実例が多すぎるのだろうか
  • 10 観察
    • 観察は過大評価されてきた
    • 実証主義的観察
    • 区別の否定
    • 理論付加的
    • ラカトシュの観察に関する考え
    • 理論的過程を含むことについて
    • 言明、記録、結果
    • 理論なき観察
    • ハーシェルと放射熱
    • 注目すること
    • 観察は技巧である
    • 見ることは言うことではない
    • 感覚を増強すること
    • 大規模に理論付加的な観察(E)
    • 独立性
  • 11 顕微鏡
  • 12 思弁、計算、モデル、近似
  • 13 現象の創造
  • 14 測定
  • 15 ベーコン的主題
  • 16 実験活動と科学的実在論

9 実験

階級とカースト
帰納と演繹
  • p. 251 観察の理論負荷性 の強い解釈と弱い解釈
  • p. 252 「実験が意味を持つためにはテストにかけられる推測が存在していなければならない」なんてことはない。
理論と実験と、どちらが先に来るのか
  • p. 252 理論と実験の関係は[科学の]様々な発展の段階に応じて異なっている(ということが、ふるい科学哲学のなかでは しばしば否認されてきた)。
  • ポパー症例。以下↓ポパーへの反論。
    • p. 256 「理論に先行する最初の観察があるという論点を認めながら、それにもかかわらず、「すべての計画的実験活動は──ポパーが言っているように──理論に支配されている」と主張してはいけないだろうか。だめだと私は思う。」
注目すべき観察(E)
  • p. 254 光学の初期の発展(1600-1800)の例から:方解石と偏光
理論への刺激(E)
意味のない現象
幸福な出会い
  • p. 259 宇宙の背景輻射と電波望遠鏡/ビッグ・バン理論
理論-歴史
  • p. 262 歴史の理論主義的な書き換え
理論家、アンペール
  • p. 265 理論が 実験・観察に先行した例:われわれは 現象からそれを一般的な仕方で記述する諸命題を推論し、その後熟考をこらして、これまで考えたこともない新しい現象を作りだすことができる。
発明(E)

 理論と実験という言葉を用いて立てられる問題は 理論を事物のかなり均質な種類の一つとして、また実験を同じような別の一つとして 扱っているので、誤解を招きやすいものである。私は第12章で理論の多様性に目を向けよう。[p. 265]

これまでにさま甘な実験のうち いくつかを眺めてきたが、まだ他にも関連のある部門がある。そして発明は その中のもっとも重要なものの一つである。
  • p.265 次第に理論的分析へと導かれていった実用的な発明の歴史としての熱力学:
    • ニューコメン大気圧機関(1709-15)、ワットの蒸気機関(2767-84)、トレヴィシックの高圧機関(1798)/カルノー・サイクルと「熱力学的効率(duty)」

この技術の発展は 果てしのない「実験」を伴うものではあるが、その「実験」は 理論をテストするというポパー的意味を持つものでも、デイヴィー風の帰納的意味を持つものでもない。実験は 産業革命の中心を占める技術の完成のために必要とされた想像力に富んだ試行だったのである。[p. 268]

理論を待機する多数の実験的法則(E)
  • p. 269 『金属と合金の諸性質に関する理論』(1936)
    • データから直接に ではなく、原子構造に対するはるかに一般的な洞察に由来する理論によって統合された実験諸結果。
実例が多すぎるのだろうか

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