いただきもの:ロベール・カステル『社会問題の変容』

おそろしいものをいただいてしまいました。ありがとうございます。
ポトラッチゲームの始まりでしょうか。
A5判・632頁です。いつ読めるのかわかりませんが、でもなんとか時間をつくって読みましょう。
定価 6825円。ページ数のわりには安い安心のナカニシヤ価格。

社会問題の変容 ―賃金労働の年代記―

社会問題の変容 ―賃金労働の年代記―

「社会問題」の根源に迫るロベール・カステルの記念碑的大著、待望の完訳
失業、労働条件の不安定化、新たな貧困、そして「負の個人主義」と社会的紐帯の喪失がもたらす社会の分断。 これら今日の社会的危機の根源は何か。 賃金労働の軌跡を14世紀から捉え返し、賃金労働社会と「社会的なもの」の成立の過程、そして福祉国家「以後」の現在の危機の根源を明らかにするロベール・カステルの主著、待望の完訳。
現在の個人主義化のプロセスを通じてみられる矛盾は、このように深刻なものである。この矛盾が社会に突きつけているのは、みずからを統治不可能なものとしかねない分断化の恐れである。すなわち、社会的地位の安定ゆえに個人主義と自律を結びつけることのできる者を一方の極に、そして個人として存在することが手がかりの不在と保障の欠落とを意味してしまうがために、それを十字架として背負わなければならない者をもうひとつの極へと置く、社会の二極化の恐れである。 (本書「結論 負の個人主義」より)

第一部 後見から契約へ

  • 第一章 近接性に基づく保護
  • 第二章 土地に縛られた社会
  • 第三章 名もなき賃金労働者
  • 第四章 自由主義的近代

第二部 契約から身分規定へ

  • 第五章 国家なき政治
  • 第六章 社会的所有
  • 第七章 賃金労働社会
  • 第八章 新たな社会問題
  • 結 論 負の個人主義