児島和人(1999)「総論 現代における社会情報の多相的生成」

講座社会学〈8〉社会情報』第一章。

1章 総論 現代における社会情報の多相的生成  児島和人
  • 1 はじめに──本章の主題
  • 2 情報概念の多相性
    • 2-1 情報の量的把握
    • 2-2 情報概念の一義的規定
    • 2-3 情報の多義的規定の構成
  • 3 社会情報の現代的成立
    • 3-1 文字の文化と社会情報の分離・生成
    • 3-2 メディア変容の段階と類型
    • 3-3 社会情報伝達過程としてのマスコミュニケーション
  • 4 社会情報の現代的位相
    • 4-1 権力行使の文脈での位相
    • 4-2 リアリティ形成の文脈における位相
  • 5 おわりに──社会情報と社会的コミュニケーション

2 情報概念の多相性 2-3 情報の多義的規定の構成

pp. 6-7. 橋元の六類型。試験に出るでこれ。
田中一とか吉田民人とかの定義を分類整理したもの(?)であるらしい。

レベル1 情報を環境内に存在する刺激の配列ないしパタンとして把握するレベル ここでは、人間行動と無関係に自然界も含めて情報は規定される。
吉田の最広義の情報の定義はここに位置する。
レベル2情報は、環境内の要素でかつ人間が特定の働きかけを行ったり、あるいは働きかけを受けたりする対象とするレベル。 たとえば知覚の対象を情報と考える生体情報工学の立場やウィナーの情報の定義もこのレベル。



3a情報を環境内の要素が人間によって記号化された後の段階の、その記号の配列ないしパタンとするレベル。橋元は、ハートリーやシャノンの情報概念はこのレベルであるとしている。
シニフィアン的側面。
3b情報を記号系列そのものではなく、そこに含められたメッセージとするレベル。 シニフィエ的側面。
3c記号系列とそれによって指示されたメッセージの合体という、いわばレベル3a と 3b とを統一するレベル。 「information の語源であるラテン語の informatio が形相を与えられた質料を意味するとすれば、最も原意にそった用法といえる」
レベル4情報を行動選択のための評価をになったり、指令を果たし、意思決定の上で有用性を発揮する記号列として把握するレベル。 日常的な用語法にほぼ一致するレベルである。