調査系の組織研究が ほとんど登場しない。あまりに登場しなさすぎてびっくりするくらい登場しない。
たとえばグールドナーの文献は3つ載っているが、そこには石膏工場のフィールドワークは入っていない(!)。しかも3本のうちの一本は危機書である。ベンディクスは名前すら登場しない。
たとえ本書自体が「理論」系の論考であったとしても、これまで広く使われてきた組織研究の個々の術語が、実際のところ 研究の中でどんなふうに使われてきた・どういう概念なのか、ということを検討するには、調査報告を検討してみなければ分からないのではないか。
- 序 章―組織とは何か、組織論とは何か
- はじめに
- 1 本書の目的と意図
- 2 日本における組織論の展開
- 3 本書の構成
- おわりに
第1部 組織とコミュニケーション
- 第1章 組織に接近する方法
- 第2章 組織を分析する方法──コミュニケーション概念の精査
- はじめに──本書の目的と意図
- 1 コミュニケーション論と組織論──その密接な関係
- 2 コミュニケーションという分析概念──メディア、情報、シンボル性
- 3 コミュニケーションの4類型──コード/テクスト、情報連結先の既定性/自在決定性
- おわりに──組織論における第2の可能性
- 第3章 コミュニケーションと組織──コミュニケーションが組織を生み出す
第2部 組織概念の再検討
- 第4章 組織目的──モニュメントとしての組織目的
- はじめに
- 1 機能主義と解釈主義の共通点と差異
- 2 組織論者としてのパーソンズ
- 2.1 マックス・ウェーバー
- 2.2 アミタイ・エツィオーニ
- 2.3 タルコット・パーソンズ
- 3 パーソンズへの挑戦、対抗
- 4 組織目的とは
- おわりに
- 第5章 組織戦略
- 第6章 組織構造
- 第7章 組織文化──〈シンボルとしての組織〉概念の提唱
- はじめに──本章の目的と意図
- 1 機能主義的組織文化論の有効性と限界
- 2 解釈主義的組織シンボリズムの挑戦
- 3 モダンのプロジェクト
- 4 組織文化論と組織シンボリズムの対比──文化のレベル・文化への関与・文化の位置づけ
- 4.1 文化のレベル
- 4.2 文化への関与
- 4.3 文化の位置づけ
- おわりに
- 第8章 組織の記憶と使命