ダーウィンルーム読書会 多田富雄(1993)『免疫の意味論』

読書会があると聞いて。


オートポイエーシスの着想源の一つである イェルネの免疫ネットワーク説を丁寧に解説してくれており、学生時代にかなり繰り返して読んだもの。その後どう評価されているのか知りたい。
ちなみに多田さんはこの本で「超システム」という言葉を提出しているのだが、述べたかったことを語るために この新概念は不要であり、「システム」で十分だったと思う。

多田さんがそう考えなかったのは、「システム」についての考え方が狭かったからだろう。
免疫の意味論

免疫の意味論

  • はしがき
  • 第一章 脳の「自己」と身体の「自己」
  • 第二章 免疫の「自己」中心性──胸腺と免疫の内部世界
  • 第三章 免疫の認識論──ネットワーク説をめぐって
  • 第四章 体制としての免疫──インターロイキン王国の興亡
  • 第五章 超システムとしての免疫──自己の成立機構
  • 第六章 スーパー人間の崩壊──免疫系の老化
  • 第七章 エイズと文化──RNAウィルス遺伝子の謀略
  • 第八章 アレルギーの時代──あるいは相互拒否の論理
  • 第九章 内なる外──管としての人間
  • 第十章 免疫系の反乱──自己寛容と自己免疫
  • 第十一章 免疫からの逃亡──癌はなぜ排除されないか
  • 第十二章 解体された自己──再び「自己」について
  • あとがき