(0507023) 「科学技術社会論研究会」ワークショップ

科学技術社会論研究会」ワークショップ:「世紀転換期日本の科学技術と社会をどう見るか」

  • 2005年7月23日(土) 12:45-18:30
  • 東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室



ワークショップの目的
『通史 日本の科学技術 第6巻 世紀転換期 1995〜2005』の出版を目指す研究プロジェクトの発足に当たり、科学技術の現代史に関心をもつ研究者・実務家の方々に、このプロジェクトの現時点での基本的な考え方をお伝えし、参加をお誘いすることが、このワークショップの目的です。このプロジェクトの前身は、科学史家の中山茂をリーダーとして、1980年代半ばから進められてきた「戦後日本科学技術の社会史」プロジェクトであり、その研究成果は『通史 日本の科学技術』(全5巻、学陽書房、1995〜1999年)として結実しました。それは1945年から1995年までの50年間をカバーしておりますが、今回はその続編として、1995年から2005年までの「世紀転換期」をカバーする予定です。いわば『五十年史』の『続十年史』です。もちろんこの時代の特徴をつかむためには、1995年以前の時代に遡った分析を行うことが必要です。遡るべき期間の長短は、ケース・バイ・ケースで異なります。
私たちは、「世紀転換期」というキーワードを、時間軸を切り取っただけのものとは考えていません。20世紀と21世紀は相当に異なる時代であり、その境目に当たる1990年代から2000年代にかけての時代(あるいはその前後も含めた時代)は、20世紀システムから21世紀システムへの構造転換が行われる時代となるのではないか、という認識をもっています。その構造転換の本質については、後世の歴史家の分析・評価を待つしかありませんが、私たちにもできることがあります。それは「歴史的転換」についてのリアルな実感を抱きつつ、その参与観察を進めることです。たとえ私たちの分析・評価の相当部分が、後世からみて本質を外していたとしても、真摯に行われる現代史研究はそれ自体が、歴史の証言として有益なものとなるものと確信いたします。
今回のワークショップでは、先の『五十年史』の編集・執筆に中核的役割を果たした3名が、それぞれの得意分野について、最近10年(ただし必要に応じて1995年以前に遡ります)の間に、どのような変化が進んでいるかについて分析・評価を加えます。「トップダウン」式に、世界情勢の変化に関する大風呂敷の分析から説き起こして、最終的に個別分野の情勢分析へと下降するアプローチを、私たちはとりません。むしろ個別分野の情勢変化に関する知識・情報を幅広く共有することを通して、より大きな時代の流れを浮き彫りにするという「ボトムアップ」方式を、採用したいと思います。なお、今回と同様の性格のワークショップを、今年度中に全国各地で開催する予定です。東京でも最低限あと1回開催する予定です。これらのワークショップをふまえて、年度末には方針を固め、章立てと執筆者のリストを作りたいと考えております。このプロジェクトに関心をお持ちの方は、誰でもお気軽にご出席ください。

  • 注記:このプロジェクトは、「持続可能社会へ向けた日本の科学技術の転換の社会史的研究(1995〜2005) 」(研究代表者:吉岡斉)として、文部科学省科学研究費補助金を、今年度から3年間にわたり助成されることになっています。現在のメンバー(特定のテーマについての執筆立候補者)総数は二十数名です。このプロジェクトに執筆メンバーとして参加を希望される方々には、今後、この事業の研究協力者となって頂き、研究会出席のための旅費をお支払いします。執筆メンバーとして参加するかどうか未定の方、あるいは執筆予定のない方も、ワークショップ等の公開行事には自由に参加できます。



参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。

ワークショップのプログラム

各報告のレジュメはこちらに:http://www.forumsts.org/