1968-11-01から1ヶ月間の記事一覧

序言

日常的な言語使用における言葉を用い、伝統的な倫理的な考え方での概念を用いるように、という忠告が、そもそも社会学に対してなされるべきなのかどうか。これは真剣に考えるに値する問題である。そのようにして道徳的な概念を社会学の概念へと改装すること…

目次

2017年秋の朝日カルチャーセンター講義で本書を取り上げることになりました。 酒井泰斗プロデュース:ルーマン解読6「小宮友根さんと『信頼』を読む」 『信頼―社会的な複雑性の縮減メカニズム』 ISBN:4624020243 ISBN:3825221857 Niklas Luhmann, 1968/1973…

第1章「準拠問題:社会的な複雑性」

asin:4326651202 まとめ p. 09-11 我々は、こうした[フッサールの超越論的現象学、政治的支配に関するホッブスの議論、シュッツの類型化論、パーソンズの社会システム論、経済学的組織理論などといった]諸思想すべてを単一の定式にまとめうる。すなわち人…

第2章「存続と出来事 Bestände und Ereignisse」

asin:4326651202 段落ごとのトピック一覧 ルーマンが使わない時間カテゴリ [1] 流れ・運動、運動の尺度 [2] 構造と過程(社会学) [3] 「信頼についての理論は時間の理論を前提する。この時間論という前提は、非常に困難な暗黒の領域に達しているので、我々…

第3章「馴れ親しみと信頼」

asin:4326651202 第3章 最後の段落。訳37-38 馴れ親しみ 人格への信頼 人格システムへの信頼・社会システムへの信頼 という類型。 信頼という、我々の特殊な問題に関して言えば、右のような一般的な診断によって〔信頼の〕様式は、より大きな、自覚的に処理…

第4章「複雑性の縮減としての信頼」

信頼の規定と内的条件について。53 最後から二番目の段落。 この章の目的は、一章で予告した「信頼の準拠問題が複雑性の縮減である」という主張を、信頼の三つの内的契機に即してしめすことだった。 この章では併せて、ここで謂う「複雑性」が、他人が有する…

第6章「人格的な信頼」

asin:4326651202 [01] [02] [03] [04] [05] [06] 人格的信頼の学習:信頼形成を容易にする社会的条件について [07] Prinzip der kleinen Schritte について [08] 人格 人格的な信頼関係の生成のための、最初にして根本的な前提は、人間の行為が、そもそも人…

第7章「コミュニケーション・メディアとシステム信頼」

asin:4326651202 106 「ここで信頼の形成過程を構成しているあらゆる要素──[内的な三条件]──が関連しているように思われる。」 110-111 「システム信頼には[馴れ親しみとは違って]、あらゆる働きが 生み出され、あらゆる行為は 複雑性の縮減の明示的な過…

第12章「信頼と不信の合理性」

asin:432665120212章最終段落。175-176. 以上の考察の結果、我々は、最初の出発点に立ち返ることになる。その出発点とは、社会的な複雑性にはかならない。歴史的にも内容的にも、信頼はさまざまな形態をとる。 原始的な社会秩序と文明化された社会秩序では、…