https://contractio.hateblo.jp/entry/20230529/p1
次回読書会は 2023年12月02日(土) 10:00- に開催します。次回で本書は終了です。
- 佐々木 聡『科学的管理法の日本的展開』 有斐閣、1998年.
第5章「戦後の生産性向上運動の展開」
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次回読書会は 2023年12月02日(土) 10:00- に開催します。次回で本書は終了です。
第1部第1篇第9節 43c
ジンメル研究会大会のご案内
2023年度ジンメル研究会大会を、下記のとおり開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。
- 【日 時】 2023年11月25日 (土) 13:30〜
- 【開催方法】Zoomによるオンライン開催
- 【参加費】 無 料
【参加方法】
参加をご希望の方は11月20日(月)までに、下記URLの参加申込フォームに必要事項をご記入のうえお申込みください。お申込みいただいた方には後日、オンライン参加に必要な情報をお知らせします。
- 〔参加申込フォーム〕https://forms.gle/jaDhZTq4Q9LpDHNW8
「読者論」連載のための準備。
- はじめに
第一部 読むための方法
- 読むことと知識1:語彙の重要性
- 読むことと知識2:教科書的な知識の重要性
- 読むことと知識3:学術的な知識の重要性
- 読むことと知識4:同時代言説の重要性
- 難解な文とどう格闘するか:学校文法・日本語文法・やさしい日本語という視座
- じっくり読むことと、さっと読むこと:精読/俯瞰読み
- 要約:内容を端的にまとめる
なにがもったいないのかを教えてほしい。
ちなみに続く箇所で対照されているのは「慌ただしい態度」とか「サッと読んで軽く消費」など。〈深い〉に対比できる例は出てきていない。著者は「はじめに」を、「願わくはこの一冊も、じっくりと、時間をかけてお読みいただければ幸いです。」
という言葉で閉めているので、おそらくこの〈じっくりと、時間をかけて〉が「深く」に相当するのだろう。が、そうは書いていないし、だからもちろん、「じっくりと時間をかけて」が なぜ「深い」と言えるのかも書いていない。
同様にたとえば、次の文の下線(ハイライト)部は、著者が或る読み方について望ましいと信じる理由を述べた箇所としてなら読める。
しかしこれは、この読み方に対して他ならぬ〈深読み〉という表現を用いたほうがよい理由については述べていない(私は本書を何度か通読してみたが、他のどの箇所でも述べていないように思う)。
この著者は、すでに世間で「深読み」という言葉があまりよくない意味で流通していることを指摘した上で、そのことを残念に思い、この言葉の意味・使い方の変更・改定を提案しようとしているわけなので、「なぜ自分の推奨する使い方の方がより良いのか」を述べて読者を説得するという課題を自らに負わせているはずである。が、それをわかっていてやっていないのか、わかっていないからからやっていないのか。どちらなのか判断が付かない。──少なくともこの著者はこの箇所で、自分が書いていないことを読者に納得させようとしている。つまり自分が推奨していない読み方を読者にさせようとしてしまっているわけである。
ちなみに。もし同じ課題を私が負わされることになったら、私であればどう応えるかを考えてみると: 「深読み」とは、「文書を読んで得た少しだけの手掛かりを元に、文書に書いていないことをたくさん想像すること」である。だから人は、「深読み」をしているときには、文書をきちんとは読んでいない。つまりこの言葉は「読み」以外の・以上のことを指すのに使われていて、その点で不適切である。いま「深読み」と呼ばれているものには、他の言葉をあてた方がよい。──くらいのことは言えるかな。
なぜそうなる。