いただきもの:読書猿『独学大全』/前田・西村『急性期病院のエスノグラフィー』

どうもありがとうございます。


独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

  • 作者:読書猿
  • 発売日: 2020/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

急性期病院のエスノグラフィー―協働実践としての看護

急性期病院のエスノグラフィー―協働実践としての看護

お買いもの:守 博紀(2020)『その場に居合わせる思考:言語と道徳をめぐるアドルノ』

ようやく・・・・


  • 序論
  • 第一章 概念
  • 第二章 叙述
  • 第三章 自由
  • 第四章 道徳
  • 結論

メモ

第二章 叙述
  • 182 「まとめよう。「作品が分析を必要とする」というテーゼには二つのアイディアが含まれている。
    ・第一に、音楽作品には分析によって展開されるべき来歴が折りたたまれており、その来歴の内容によって作品は孤立したあり方ではなくそれが置かれたネットワークとの豊かな関係を提示する。
    ・第二に、この来歴の展開のために、音楽は聴取者に分析という特定の概念的分節化を要求する。」

おかいもの

アメリカ史は夜のお仕事用。



南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)


中華の成立: 唐代まで (岩波新書)

中華の成立: 唐代まで (岩波新書)


吉本隆明(1990)『マチウ書試論 転向論』

1950-60年代の論考を集めたもの。

マチウ書試論・転向論 (講談社文芸文庫)

マチウ書試論・転向論 (講談社文芸文庫)

  • I
    • 恋唄
    • エイリアンの手記と詩
    • 異神
    • マチウ書試論 (昭和29年)
  • II
  • 宗祇論
  • 蕪村詩のイデオロギイ
  • 鮎川信夫
  • 戦後詩人論

  • III
    • 芥川竜之介の死 
    • 芸術的抵抗と挫折 (昭和34年)
    • 転向論
    • 戦後文学は何処へ行ったか
  • 著者から読者へ 習熟と持続
  • 解説(月村敏行)
  • 作家案内(梶木 剛)
  • 著書目録

「転向論」

300-302

日本のインテリゲンチャがたどる思考の変換の経路は、典型的に二つあると、かんがえる。第一は、知識を身につけ、論理的な思考法をいくらかでも手に入れてくるにつれて、日本の社会が、理にあわないつまらぬものに視えてくる。そのため、思想の対象として、日本の社会の実体は、まないたにのぼらなくなってくるのである。こういう理にあわないようにみえる日本の社会の劣悪な条件を、思考の上で離脱して、それが、インターナシヨナリズムと接合する所以であると錯誤するのである。このような型の日本的インテリゲンチャにとって、日本の社会機構や日常生活的な条件が、理に合わない、つまらぬものとしてみえるのは、おそらく、社会的な要因からかんがえて、封建的な遺制の残存することによるためではない。むしろ原因の大半はこの種のインテリゲンチャの思考法に封建的意識の残像が反映しているためであり、その残像を消去するためにかれらは思考を現実離脱させているのに外ならない。わたしのかんがえでは、日本の社会が理にあわぬつまらぬものとみ、えるのは、前近代的な封建遺制のためではなく、じつは、高度な近代的要素と封建的な要素が矛盾したまま複雑に抱合しているからである。
 この種の上昇型のインテリゲンチャが、見くびった日本的情況を(例えば天皇制を、家族制度を)、絶対に回避できない形で眼のまえにつきつけられたとき、何がおこるか。かつて離脱したと信じたその理に合わぬ現実が、いわば、本格的な思考の対象として一度も対決されなかったことに気付くのである。このときに生まれる盲点は、理に合わぬ、つまらないものとしてみえた日本的な情況が、それなりに自足したものとして存在するものだという認識によって示される。それなりに自足した社会であると考えさせる要素は、日本封建制の優性遺伝的な因子によっている。佐野、鍋山の転向とは、これを指しているのではないか。わたしの見るところでは、日本のインテリゲンチャはいまも、佐野、鍋山の転向を嗤うことができないのである。理にあわぬ、つまらない現実としかみえない日本の社会の実体のひとつひとつにくりかえし叩きつけて検証されなかった思想が、ひとたび日本的現実のそれなりに自足した優性におぼれたときこそ無惨であった。…

303-304

 日本のインテリゲンチャがとる第二の典型的な思考過程は、広い意味での近代主義(モデルニスムス)である。日本的モデルニスムスの特徴は、思考自体が、けっして、社会の現実構造と対応させられずに、論理自体のオートマチスムスによって自己完結することである。文学的なカテゴリーにおいても、たとえば想像力、形式、内容というようなものが、万国共通な論理的記号として論ぜられる。或る場合には、ヴァレリーが、ジイドが、またある場合にはサルトルが、隣人のごとくモデルニスムスのあいだで論じられ、た易く捨てられるという風潮は、想像力、形式、内容というような文学的カテゴリーが論理的な記号としてのみ喚起されて、実体として喚起されないからである。実体として喚起されるならば、これらの文学的カテゴリーは、その社会の現実の構造と、歴史との対応なしには、けっして論ずることができないものなのだ。
 このような、日本的モデルニスムスは、思想のカテゴリーでも、おなじ経路をたどる。たとえば、マルクス主義の体系が、ひとたび、日本的モデルニスムスによってとらえられると、原理として完結され、思想は、けっして現実社会の構造により、また、時代的な構造の移りかわりによって検証される必要がないばかりか、かえって煩わしいこととされる。これは、一見、思想の抽象化、体系化と似ているが、まったくちがっており、日本的モデルニスムスによってとらえられた思想ははじめから現実社会を必要としていないのである。日本的モデルニスムスにとっては、自己の論理を保つに都合のよい生活条件さえあれば、はじめから、転向する必要はない。なぜならば、自分は、原則を固執すればよいのであって、天動説のように転向するのは、現実社会の方だからである。

  • 308 板垣直子「文学の新動向」『行動』1934 年9月号
    「後世の史家はかくであろう。──当時社会状勢の急激な変化につれて、大多数のプロ作家は転向したが、その代表的な者は、片岡鉄兵村山知義中野重治云々と、そしてなおその後にも、それらの転向者は、社会に適応したる方法で売文渡世して終ったと附言されることが予想される。云々」
  • 309 「板垣の罵倒が、爽快な印象をあたえるのは、[中野重治の小説]「村の家」の父親孫蔵のような平凡な庶民が、だれでもなしうる罵倒にほかならないからであり、それが日本封建制の深部意識からの典型的な批判とつながりうるからである。」

小特集:科学的知識の社会学と社会認識論

論文執筆準備作業進捗報告互助会用
bit.ly
特集:科学社会学の続き https://contractio.hateblo.jp/entry/20191113/p0
「社会認識論」だと「〈社会認識〉論」なのか「〈社会〉認識論」なのかはっきりしないので、「社会的認識論」と記していただきたい。

日本都市社会学史

本郷データセッション用。
bit.ly

今月の50冊

  1. Culture in Action: Studies in Membership Categorization Analysis (Studies in Ethnomethodology and Conversation Analysis) Stephen Hester 206p ISBN:0761805842
  2. Ethnomethodology and the Human Sciences Graham Button 292p ISBN:0521389526
  3. Garfinkel and Ethnomethodology (Social & political theory) John Heritage 336p ISBN:0745600603
  4. Mind in Action Jeff Coulter 168p ISBN:1573924814
  5. Scientific Practice and Ordinary Action: Ethnomethodology and Social Studies of Science Michael Lynch 356p ISBN:0521597420
  6. Structures of Social Action (Studies in Conversation Analysis) J. Maxwell Atkinson 464p ISBN:0521318629
  7. The Practice Turn in Contemporary Theory Theodore R. Schatzki 256p ISBN:041522814X
  8. Goffman’s Legacy (Legacies of Social Thought Series) Javier A. Trevino 312p ISBN:0742519783
  9. Positivism is Social Theory and Research (Traditions in Social Theory) Christopher Bryant 222p ISBN:0333305388
  10. エスノメソドロジー-社会学的思考の解体 ハロルド・ガーフィンケル 328p ISBN:4796701494
  11. 現象学的社会学文化人類学叢書) アルフレッド・シュッツ 374p ISBN:4314002794
  12. ルフレッド・シュッツ著作集 第3巻 社会理論の研究 アルフレート・シュッツ 412p ISBN:4896160738
  13. 生活世界の構成-レリヴァンスの現象学ルフレッド シュッツ 267p ISBN:4896161033
  14. 日本社会学史への誘い (SEKAISHISO SEMINAR) 小笠原 真 294p ISBN:4790708004
  15. 社会構築主義スペクトラム-パースペクティブの現在と可能性 中河 伸俊 228p ISBN:4888486441
  16. 論理学研究 2 エトムント・フッサール 312p ISBN:4622019248
  17. フッサール書簡集1915-1938-フッサールからインガルデンへ (1982年) ロマン・インガルデン 318p ISBN:B000J7PF18
  18. シェリング講義 マルティン・ハイデガー 397p ISBN:4403120083
  19. 理想 1985年07月号 特集:ハイデガー以後のハイデガー 理想社 258p ISBN:B0844JHKGC
  20. ハイデガーの技術論 加藤 尚武 180p ISBN:4650105323
  21. 世界内存在-『存在と時間』における日常性の解釈学 ヒューバート・L. ドレイファス 372p ISBN:4782801335
  22. 真理と方法 1 哲学的解釈学の要綱 (叢書・ウニベルシタス) ハンス・ゲオルク・ガダマー 292p ISBN:4588001752
  23. 真理と方法 2 哲学的解釈学の要綱 (叢書・ウニベルシタス) ハンス・ゲオルク・ガダマー 703p ISBN:4588001760
  24. 現代哲学の根本問題〈第7巻〉解釈学の根本問題 (1977年) 414p ISBN:B000J8SSC0
  25. 信と知: たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉 (ポイエーシス叢書) ジャック デリダ 186p ISBN:4624932684
  26. 名を救う-否定神学をめぐる複数の声 (ポイエーシス叢書) ジャック デリダ 159p ISBN:4624932536
  27. 声と現象-フッサール現象学における記号の問題への序論 ジャック デリダ 234p ISBN:4650101964
  28. 講義・身体の現象学-身体という自己 ベルンハルト ヴァルデンフェルス 462p ISBN:4901654306
  29. 理由の空間の現象学-表象的志向性批判 門脇 俊介 229p ISBN:4423101017
  30. 応用哲学を学ぶ人のために 戸田山 和久 380p ISBN:4790715272
  31. 文明と時間 三宅 正樹 260p ISBN:4486016726
  32. 理系人に役立つ科学哲学 森田 邦久 268p ISBN:4759814329
  33. 情念の政治経済学 (叢書・ウニベルシタス) アルバート O.ハーシュマン 170p ISBN:4588001655
  34. 法社会史 上山 安敏 433p ISBN:4622017113
  35. 現代ドイツの政治思想家-ウェーバーからルーマンまで クリス ソーンヒル 420p ISBN:4000227408
  36. 現代思想2000年1月号 特集=確率化する社会 偶然を飼いならせ 222p ISBN:4791710541
  37. ドビュッシー音楽論集-反好事家八分音符氏 (岩波文庫ドビュッシー 324p ISBN:400335091X
  38. 種の起原〈下〉 (岩波文庫) チャールズ ダーウィン 408p ISBN:400339125X
  39. 千一夜物語〈1〉 (ちくま文庫) 佐藤 正彰 514p ISBN:4480022112