第22回 日米経営学史茶話会

https://contractio.hateblo.jp/entry/20230529/p1
次回読書会は 2023年12月02日(土) 10:00- に開催します。次回で本書は終了です。

  • 佐々木 聡『科学的管理法の日本的展開』 有斐閣、1998年.
    第5章「戦後の生産性向上運動の展開」

今月の50冊

  1. 伊丹十三の本 「考える人」編集部 245p ISBN:410474901X
  2. ぼくの伯父さん 単行本未収録エッセイ集 伊丹 十三 296p ISBN:4908155062
  3. 人を動かす 完全版 D・カーネギー 352p ISBN:4105066536
  4. 新インナーゲーム (インナーシリーズ) W.T.ガルウェイ 288p ISBN:4817202106
  5. 夜と霧 新版 ヴィクトール・E・フランクル 184p ISBN:4622039702
  6. フランクルを学ぶ人のために 山田 邦男 358p ISBN:4790709302
  7. SELFISH(セルフィッシュ) (単行本) トマス・J・レナード 531p ISBN:4396617097
  8. 成功の扉-すべての望みはかなえられる (Success Series) 住友 進 132p ISBN:482070785X
  9. 王仁三郎の言霊論理力 800万人を魅了し世界標準を目指したその秘密の超パワー 出口 汪 205p ISBN:4864711887
  10. The Art of Judgment A Study of Policy Making Geoffrey Vickers 232p ISBN:0803973632
  11. 現代政治学の思想と方法 (現代政治理論叢書) イシエル・デ・ソラ・プール 464p ISBN:4326398000
  12. 現代政治理論の構想 (1971年) (現代政治理論叢書〈2〉) D. イーストン 0p ISBN:B000J9JRZ6
  13. アメリ労務管理論史 岩出 博 310p ISBN:4914906929
  14. イギリス信用思想史研究 (1963年) 杉山 忠平 280p ISBN:B000JAHFU4
  15. 現代の形而上学 新古典派経済学の批判 小澤 勝徳 399p ISBN:4861281482
  16. 超訳 ケインズ『一般理論』 ジョン・メイナード・ケインズ 235p ISBN:4492315357
  17. 恐怖の法則: 予防原則を超えて キャス サンスティーン 376p ISBN:4326154357
  18. 読むことの歴史-ヨーロッパ読書史 ロジェ シャルティエ 634p ISBN:4469250643
  19. キリギリスの哲学-ゲームプレイと理想の人生 バーナード スーツ 212p ISBN:4779509246
  20. ゲーム学の新時代 遊戯の原理 AIの野生 拡張するリアリティ 中沢新一 304p ISBN:4757103859
  21. ヘーゲルの反省論 自立と矛盾 中野眞 232p ISBN:4888665818
  22. 〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす: 正義の反対は別の正義か 朱 喜哲 272p ISBN:4811808606
  23. アメリカ哲学入門 (現代プラグマティズム叢書) ナンシー・スタンリック 312p ISBN:4326199849
  24. フェミニスト現象学: 経験が響きあう場所へ 稲原 美苗 336p ISBN:4779516986
  25. 世界は時間でできている: ベルクソン時間哲学入門 平井靖史 367p ISBN:4791774884
  26. 現代社会学大系 4 社会組織論 C.H.クーリー 347p ISBN:425070016X
  27. 社会体系論 (現代社会学大系 14) タルコット・パーソンズ 597p ISBN:425074017X
  28. 社会体系と行為理論の展開 タルコット パーソンズ 574p ISBN:4414502128
  29. 近代化の挫折 (1969年) (「伝統社会の近代化」シリーズ〈1〉) S.N.アイゼンシュタット 0p ISBN:B000J9ODMI
  30. メディアと社会の連環: ルーマンの経験的システム論から 佐藤 俊樹 424p ISBN:4130502069
  31. ルールの科学: 方法を評価するための社会学 佐藤 裕 322p ISBN:4787235184
  32. 鍵盤を駆ける手-社会学者による現象学的ジャズ・ピアノ入門 D. サドナウ 264p ISBN:4788504375
  33. 学びをみとるーエスノメソドロジー・会話分析による授業の分析 五十嵐 素子 308p ISBN:4788518236
  34. The Act of Reading: A Theory of Aesthetic Response Professor Wolfgang Iser 224p ISBN:0801821010

ジンメル研究会2023年大会

ジンメル研究会大会のご案内

2023年度ジンメル研究会大会を、下記のとおり開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。

  • 【日 時】 2023年11月25日 (土) 13:30〜
  • 【開催方法】Zoomによるオンライン開催
  • 【参加費】 無 料

【プログラム】

1. 小山 裕(東京大学)「ジンメルとドイツの市民的自由主義
2. 磯 直樹(東京藝術大学)「統合と分化の関係社会学ジンメルからの視座」

【参加方法】

参加をご希望の方は11月20日(月)までに、下記URLの参加申込フォームに必要事項をご記入のうえお申込みください。お申込みいただいた方には後日、オンライン参加に必要な情報をお知らせします。

【お問い合わせ】

ジンメル研究会事務局・杉本(熊本学園大学):msugimoto[@]kumagaku.ac.jp([ ]を削除してください)

文献

学習参考書シリーズ2

「読者論」連載のための準備。

小池陽慈(2021)『"深読み"の技法 世界と自分に近づくための14章』


  • はじめに
第一部 読むための方法
  1. 読むことと知識1:語彙の重要性
  2. 読むことと知識2:教科書的な知識の重要性
  3. 読むことと知識3:学術的な知識の重要性
  4. 読むことと知識4:同時代言説の重要性
  5. 難解な文とどう格闘するか:学校文法・日本語文法・やさしい日本語という視座
  6. じっくり読むことと、さっと読むこと:精読/俯瞰読み
  7. 要約:内容を端的にまとめる
第二部 読むことの意味
  1. 外国語の文章を読むことの意味:翻訳という視座から
  2. 古文を読むことの意味:現代文読解のための古文
  3. 文学理論を知る意味1:「中心/周縁」理論・他
  4. 文学理論を知る意味2:記号論・テクスト論
  5. 文学理論を知る意味3:脱構築批評
  6. 文学理論を知る意味4:言説の暴力
  7. 広がる読書:次の一冊を見つける
  • おわりに “深読み”の先へ
  • スキルアップシート【読解スキル】

はじめに

  • [003-4] 「深読み。… なるほど。「必要以上に深く読み取る」という意味なんですね。確かにそれをしてしまうと、現代文の問題は解けなくなつてしまいます。… ふむふむ。けれども… 。
     なんか、もったいなくないですか?
     何がと言ぇば、「深い」という言葉は、そもそも、「おお、君の言つていることは、なかなかに深いねぇ!」などと、肯定的な文脈で使われるものですよね。映画や小説や、あるいは漫画などを読んだ後、「深い」とつぶやけば、それはその作品に対する、相当な褒め言葉であるはずです。
     とするならば、「深読み」すなわち「深く読む」の「深く」を、「必要以上に深く」などと否定的な意味で解釈するのはもつたいない。あたかも誤読であるかのようにこの言葉を使うことに、僕はなんだかもやもやしてしまうのです」

 なにがもったいないのかを教えてほしい。
 ちなみに続く箇所で対照されているのは「慌ただしい態度」とか「サッと読んで軽く消費」など。〈深い〉に対比できる例は出てきていない。著者は「はじめに」を、「願わくはこの一冊も、じっくりと、時間をかけてお読みいただければ幸いです。」という言葉で閉めているので、おそらくこの〈じっくりと、時間をかけて〉が「深く」に相当するのだろう。が、そうは書いていないし、だからもちろん、「じっくりと時間をかけて」が なぜ「深い」と言えるのかも書いていない。
 同様にたとえば、次の文の下線(ハイライト)部は、著者が或る読み方について望ましいと信じる理由を述べた箇所としてなら読める。

  • [005] 「時にはその一文、いや、その一単語に徹底的にこだわり、それを々深く,読むために、途方もない時間をかける。そうした時間が、思考を錬磨し、その人の思想を、あるいはその人そのものを形作ってゆく。」

しかしこれは、この読み方に対して他ならぬ〈深読み〉という表現を用いたほうがよい理由については述べていない(私は本書を何度か通読してみたが、他のどの箇所でも述べていないように思う)。
 この著者は、すでに世間で「深読み」という言葉があまりよくない意味で流通していることを指摘した上で、そのことを残念に思い、この言葉の意味・使い方の変更・改定を提案しようとしているわけなので、「なぜ自分の推奨する使い方の方がより良いのか」を述べて読者を説得するという課題を自らに負わせているはずである。が、それをわかっていてやっていないのか、わかっていないからからやっていないのか。どちらなのか判断が付かない。──少なくともこの著者はこの箇所で、自分が書いていないことを読者に納得させようとしている。つまり自分が推奨していない読み方を読者にさせようとしてしまっているわけである。

 ちなみに。もし同じ課題を私が負わされることになったら、私であればどう応えるかを考えてみると: 「深読み」とは、「文書を読んで得た少しだけの手掛かりを元に、文書に書いていないことをたくさん想像すること」である。だから人は、「深読み」をしているときには、文書をきちんとは読んでいない。つまりこの言葉は「読み」以外の・以上のことを指すのに使われていて、その点で不適切である。いま「深読み」と呼ばれているものには、他の言葉をあてた方がよい。──くらいのことは言えるかな。

おわりに

  • [291]「けれども、オースティンの言語論を踏まえた文学受容のあり方に鑑みるなら、当然、"深読み"の先にあるのは、その文章への応答としての、書くという行為であるはずなのです。」

なぜそうなる。