関東社会学会のサイトがリニューアルしてた。
- 関東社会学会:http://wwwsoc.nii.ac.jp/kss/meeting/information.html
- あさのさん:http://tasano.cocolog-nifty.com/kinkyou/2005/11/index.html#a0007760702
若者のコミュニケーションの現在
テーマ部会「若者のコミュニケーションの現在」は今年度新設されたものである。消費社会論を背景にした1980年代の若者論とはうってかわって1990年代以降の若者論は若者を様々な意味での「問題」とみなす視線によって枠づけられてきた。例えば、「少年犯罪」、「ひきこもり」、「自傷」、「フリーター」、「ニート」等々。それらの研究が重要な知見を積み上げてきたことは疑う余地のないことであるが、本部会ではあえてこのような具体的問題現象に直接照準するのではなく、それらがどのようなコミュニケーション様式を背景としているのかという一歩下がった地点に問題を設定する。ここで問を立てる地点として「コミュニケーション」を選択したのは、当の若者たちにとって現在コミュニケーションがいくつかの点で死活的に重要な課題になってきているように思われるからだ。
本部会は編成の方式においても新しい特徴を持っている。これまでの部会が研究領域・分野ごとに区切られて編成されていたのに対して、本部会では、ターゲットとなる具体的な現象(若者のコミュニケーション)をまず設定し、これに対して可能な複数の視点・理論から検討するという方式をとる。具体的には、2006年6月の学会大会テーマ部会において、本田由紀さん、鈴木謙介さん、辻大介さんの三人をお招きし、それぞれの観点から若者のコミュニケーションについて自由に論じて頂く。
テーマ部会に連動する研究例会においては、若者のコミュニケーションの端的な特徴を示すと思われる二つの現象、オタク系サブカルチャーとひきこもりに焦点をあわせ、それぞれについて精力的なフィールドワークおよび理論的検討を行なっている二人の研究者を報告者に招く。お一人は「やおい」コミュニティを研究されてきた金田淳子さん、もうお一人はひきこもりの若者にインタビューを続けてきた石川良子さんである。お二人にはこの二つの現象を「問題」としてではなく、若者のコミュニケーションの現代的な様相を明らかにするための戦略拠点として取り上げて頂くことになる。お二人の報告をふまえて参加者による活発な討論がなされることを期待したい。