本日の笑撃

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良知力・廣松渉編、『ヘーゲル左派論叢第二巻 行為の哲学』、御茶の水書房、¥7980.

いやーびっくりした。

うっかり買いかけたwww(0.3秒)。


いしづかせんせのおへやより:

本書は1986年秋から翌年春にかけて刊行された良知力・廣松渉編『ヘーゲル左派論叢』第1巻・第3巻・第4巻の後ながく未刊のままだった続巻にあたる。
「行為の哲学」と題する第2巻は、良知力没20年・廣松渉没10年の節目に、石塚正英の編集で刊行されたもので、ヘーゲル左派思想家群のうち主としてヘーゲル歴史哲学の分野で批判運動を開始した人々の文書を集めている。
その一人チェシコフスキは、ヘーゲル哲学における世界史の弁証法的発展が過去から現在までで終結しているのに対して、未来の認識をも可能とするような、現状変革の論理を提起した。彼は哲学において過去の歴史法則を発見するだけにとどまらず、それによって得た知識によって未来をも切り拓く行為、社会的実践活動を重視するが、その探究精神が「行為の哲学」を産み出す契機となったのである。
もう一人の「行為の哲学」者ヘスは、プロイセンで1837年に発生したカトリックプロテスタント間の異宗婚問題および1839年にトルコ領内で発生した東方問題を契機にして、プロイセン国家の変革を求める未来志向の哲学を構想することになる。そして、論理のうちに未来を含まないヘーゲル思弁哲学を実践的な「行為の哲学」で置換しようとするのであった。この「行為の哲学」こそ、『歴史知序論』(1837)著者チェシコフスキおよび『人類の聖史』(1837)『ヨーロッパの三頭制』(1841)著者ヘスが唱え、残余のヘーゲル左派思想家群によって深められた、ヘーゲル批判の哲学であった。

改行は引用者によりますw。