(20040627) 社会学史学会大会シンポジウム 「歴史社会学」報告概要

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  • 言説の歴史社会学・序説:赤川学信州大学
    • ミシェル・フーコーの言説分析がめざした志を、社会学がいかに継受できるかを論じる。具体的 には、セクシュアリティジェンダーの領域で開発されてきた言説の歴史社会学(ないし言説史)の方法的特徴を、ライフ・ストーリー、マスメディアの内容分析、エスノメソドロジーに依拠する構築主義など、「質的」とされる方法との比較に基づいて明らかにする。言説の歴史性、言説空間の復元、言説の変容を説明する「whyの問い」の必要性といった論点に関して、議論を深めたい。
  • 歴史社会学の展開と展望(仮題):田中紀行(京都大学
    • 歴史社会学は元来、社会学歴史学の相互浸透 -- 歴史学の社会(科)学化と社会学の 歴史化??の所産として成立してきたものだが、近年では社会学歴史学双方における言語論 的(文化論的)転回のインパクトのもとで文化人類学や文学理論なども含んだより広範な学際的 研究領域になりつつある。本報告では、英語圏を中心に歴史社会学のこれまでの流れを概観した上で、こうした現状とそこに孕まれた問題点を整理・展望したい。
  • 歴史と社会学の可能性:佐藤俊樹東京大学
    • 現在の社会学は対象の上ではそれこそ歴史など新たな領域に進出する一方で、方法的には従来の技法が常識化して威力をうしないつつある。私の考えでは両者は関連している。つまり、内部が空洞化しているからこそ外部にでている。だとすれば、歴史社会学の正体不明さはその結果にすぎず、真に問うべきは社会学自体の固有性が成立するかどうかである。歴史という フィールドの上でその可能性を少し具体的に考えてみたい。