III 政治システムと経済システムの構造的カップリング

この節は「財政投融資」の歴史、かな。

470で挙げられているトピックは、税と国債、納税義務、補助金政策、科学技術の振興促進、投資促進のための立法や産業の国外立地を動機づける立法、国家の信用保証、労働市場への介入、政治的な投融資によるインフラ改善、中央銀行政策、などなど。

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 中世においては、権限(Kompetenz)の概念を区別できただけであった。つまり、

  • (合法的な)政治のためには 権力 potestas が、
  • 司法のためには 裁治権 iurisdictio が、
  • 経済、特に土地所有からの収入のためには 所有権 dominium が、

といった具合である。このようにして、その活動領域とそれに特有の問題を区別できた。

たとえば、
  • 所有権には、いかにして、まだ封建法によって秩序付けられていた土地所有を信用貸しに対する補償として役立てることができるのかという問題が、
  • 裁治権には、いかなる条件のもとで 国家緊急権 ius eminens としてのこの権限が、違法行為の正当化に利用されうるのかという問題が
付随していた。

これらの諸権限が連関しあっていることは自明であり、一つの権限はそれ以外の権限なしでは活性化されえなかった。機能分化へと移行することによって、この問題は新たに定式化されなければならなくなった。いまや、このような問題は、相互依存、相互支援、相互刺激の問題として登場する。こうした事態に対して我々は、構造的カップリング概念を有する理論によって、対応しようというわけである。