ベストセラーを周回遅れで読むスレ@出不ろぐ
&近所の負け犬に借りた本を凄い勢いで読むスレ。
- ロバート キヨサキ、『金持ち父さん貧乏父さん』、白根美保子訳、1,680円、288頁、筑摩書房、ISBN:4480863303、2000/11
教えの書
- 金持ち父さん、貧乏父さん:ロバート・キヨサキが語ったこと
- 金持ち父さんの六つの教え
- 第一の教え:金持ちはお金のためには働かない
- 第二の教え:お金の流れの読み方を学ぶ
- 第三の教え:自分のビジネスを持つ
- 第四の教え:会社を持って節税する
- 第五の教え:金持ちはお金を作り出す
- 第六の教え:お金のためにではなく学ぶために働く
実践の書
- 実践その1:まず五つの障害を乗り越えよう
- 実践その2:スタートを切るための十のステップ
- 実践その3:具体的な行動を始めるためのヒント
エピローグ たった七千ドルで四人の子供を大学に行かせた男の話
いますぐ行動しよう!
二つの読み方ができる、非常に面白い本だった。
一つは、シンプルな人性論にもとづく「人生哲学・人生指南」として。
もう一つは、「政府」(「ロビンフッド的-税-理論」)や「自己責任」などについての、「お金持ち」による合理化レトリックとして。
どちらも重要で、検討に値するものだと思う。
本書冒頭、著者9歳のころのエピソード──「金持ち父さん」に最初の指南を受けるくだり──あたりから、すでに(怖くて)泣きそうになってしまった。
「お金持ち」であるとは、高額で安定した収入があること。それを獲得するためには、真面目に勉強し、よい職に就き、真面目に働き、より専門性のある職を得る為に「自己投資」し(以下略)なければならない。──という「常識」に従う限り、「お金のために働く」こと(お金に隷属すること)から逃れられない。それだけでなく、「問題」の「責任」を「誰か」に帰属させずには済まない、という発想そのものから逃れられない。
なぜならこの発想の源には、上記の「まっとうな常識」に基づいて ちゃんとまじめに──しかも、いろいろなことを我慢し・犠牲にして!──やっている「自分」に「責任」があるはずがない(のだから自分以外の「誰か」が悪い筈だ)、という前提があるから。「お金から自由になる」ためには、「一生懸命働く」という発想そのものから自由になることが必要だ、云々、(以上大意)
──というロジックへの反論は、とりあえずいまこの時点では思いつかない。