夕食。とある事情により手元から尾高本がなくなってしまったのでこちらを。(というかすいませんすいませんすいませんほんとにすみません)
厨先生セレクション(一部好事家のための)。
- P.M.ブラウ、『現代社会の官僚制』(阿利莫二訳、岩波現代叢書、1958/04)
- 原著:Peter Michael Blau, Bureaucracy in modern society, 1956
意外に(いうたらアレですが)おもろかったです(ありがとうございます)。
「官僚制は非効率だ」と批判するひとがいるけど、そういうひとは事実をみていってるわけじゃなくて クライアントとしての自分が支配される(=自分の思うままにならないやり方を強いられる)ことに不平を言ってるだけで、それにそのテの不満の表出はしばしば内実のある政治的議論から目をそらさせる効果すら持っていて、そうした不満がでること自体には社会学的説明が必要だけれども、それはそれとしてやっぱり官僚制はほかのやりかたよりも効率的で、それが民主主義と対立する側面を持つというのも確かだけど、大規模組織を官僚的なやり方以外でマネージするやり方を我々は知らないというだけでなく 「インパーソナルなやり方」というのは民主主義を促進する側面だってもっているのだし、なによりも官僚制はじっさい多くの人の生活水準をあげるのに貢献したし、生活水準があがらないと民主主義なんて成り立たないし──そもそもそうでなければやめればいいだけの話で問題にもならないはずなのだし──、両者が歴史的にみても現在においてもジレンマを抱えていることを あたかも逃れられない運命のように考えるのはおかしいし、むしろ民主主義と官僚制のジレンマというのは我々がぜひともとりくまねばならない挑戦的課題だと捉えるべきものなのであって、だから官僚制についてもっとよく知ろうと努めましょう、と考えるのが筋ってもんじゃないですかー
──とかいうことが書いてありました。頑張れ産業社会学。もうないけど。
グールドナーの「新しい上司」の話も、やはり触れられてました。
58年に出て、わりとすぐに訳されてますね。日本でも 同時代的に・すでにブラウに注目が集まっていたということでしょうか。