- 作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,高橋允昭,藤本一勇
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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ところで固有のものの問いは〈きわめて-ちかいもの〉という観念化の価値から切り離されえない。[p.14]
これはこれで、ひとつの偏見ではないのか。
すくなくとも、「固有のもの」なるもの を過剰に一般化した上でしか なし得ない主張ではある。
別のいい方をすると、この↑主張によっては、〈他なるものに曝されたもの〉としての固有のもの や 〈他なるものと構成的なしかたで成立する〉固有のもの について語ることは、なんら妨げられない。
たとえば〈システム/環境〉という区別はその一例であるが。
逆にいうと、「固有のもの」なるものがそもそもそういうものであるのなら、しかし、誰がデリダを恐れるのか。