デリダ『哲学の余白』

哲学の余白〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)

哲学の余白〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)

「タンパン」「差延」。

ところで固有のものの問いは〈きわめて-ちかいもの〉という観念化の価値から切り離されえない。[p.14]

これはこれで、ひとつの偏見ではないのか。
すくなくとも、「固有のもの」なるもの を過剰に一般化した上でしか なし得ない主張ではある。


別のいい方をすると、この↑主張によっては、〈他なるものに曝されたもの〉としての固有のもの〈他なるものと構成的なしかたで成立する〉固有のもの について語ることは、なんら妨げられない。

たとえば〈システム/環境〉という区別はその一例であるが。

逆にいうと、「固有のもの」なるものがそもそもそういうものであるのなら、しかし、誰がデリダを恐れるのか。