1964『公式組織』4-24-7

ISBN:4787796119 id:contractio:20050822

相互行為の若干の例

 相互作用の一般理論には まだ十分な先行研究が存在していないので、目下のところ、この[組織における相互行為という]テーマを体系的・網羅的に取り扱うことは不可能である。したがって、若干の例を取り上げるだけにしよう。その例を三つにわけて、

  • きわめてまれになった、ほとんど機能をもたない類型として、
    • (1) 援助と感謝、
    • (2) 取引、
    • (3) 揶揄や冗談 をとりあげ、
  • [組織に取り込まれることで]非常に変容した[相互行為の]類型として、
    • (4) 個人的尊敬による行動の制御、
    • (5) 個人的に知り合いになるさいの形式 をとりあつかい、
  • そして最後に、[組織にとって]とりわけ重要な[相互行為の]類型として、
    • (6) 思いやりや丁寧さ、親切さ
    • (7) 間接的コミュニケーションの形式 を 説明することにしよう。[p.258]

下線部なんかへん。原文確認のこと。

「組織において 頻繁にみられるわけでも重要な意義を担うわけでもない 相互行為類型」くらいのことでありましょうか。

(7) 間接的コミュニケーション [p.292-301]

この概念の出典〜参照文献:注57

術語の出典はハモンドでしょうか。

最後のはいったい...(google:アーサー・スミス+義和団

間接的コミュニケーションとは:

「非言語的コミュニケーション」よりもひろい概念だよ。

 厳密な意味でのコミュニケーションとは、なにかを伝えようとする意図的な行為のみをさす58。しかしながら、そのことは、伝達の意図そのものが表現されなければならないということを意味しない。通常のコミュニケーション、たとえば直接的なことばによる伝達は、意図されたものであり、自ら意図的であることを明らかにするものである。それはこの意味で社会的に顕在化されており、その行為を個人に帰属させることができる。それは期待され、一定の役割の内実として制度化され、サンクションの対象とすることができる。
 しかしながら、そのほかに、たしかに意図的に情報を伝えはするのだが、コミュニケーションとしては識別されない間接的コミュニケーションが存在する。それははっきりと表明されたことばにはあらわれない意味を通してなされる。

  •  
  •  
    • たとえば、
  • 総じて、地位要求や役割類型、ないしは職業帰属を明らかにすると同時に、それに対応する行為を予告するような、相手の近く領域内の物的シンボルを操作することで、間接的コミュニケーションはおこなわれる*。
    • たとえば、

これらすべての場合には、相手は確かに情報に気づくことはできるが、しかし、コミュニケーションの意図があるものとして反応することはできない。したがって、双方ともに、コミュニケーションが行われたことを否定する自由が残されている。かれらは情報伝達はなされなかったと主張する権利さえもっており、これは社会的に尊重されなければならないものである。(‥)[p.292-293]

議論は──ターミノロジーも──1984 / 1995 と変わっていないようにおもわれますが。どうでしょう。

というかむしろ糞常識的な....

* この言葉をこういう意味で使っているから、『芸術』におけるブルデューへのあのコメントがでてくるわけですな。