涜書:エストライヒ『近代国家の覚醒』

ひとさまからお借りした本をありがたく拝読するスレm_(. _ .)_m

近代国家の覚醒―新ストア主義・身分制・ポリツァイ

近代国家の覚醒―新ストア主義・身分制・ポリツァイ

  • I 近代的国家の理論家 ユストゥス・リプシウス(1954)
    • 解題I 新ストア主義と近代国家、そしてプロイセン・ドイツ史
  • II ドイツにおける身分制と国家形成
  • III ポリツァイと政治的叡知──ドイツ・バロック時代の都市と国家における社会・政治思想の展開
    • 解題III 近世における社会的規律化とポリツァイ

面白かった。
が、こんなところ(?)で社会学者──エリアス──の名前を見ることになるとは思わなかったよ。



 むろん、エスライヒ以前にも、新ストア主義あるいはストア哲学の復活の意義を強調した学説がなかったわけではない。とりわけ、ヴィルヘルム。ディルタイ、フランツ・ボルケナウ、エルンスト・カッシーラーはいずれも、その近代世界への過渡期における重要性を強調している。しかし、それらはいずれも認識の時限に問題が限定され、倫理と軍事と国家との内的な結びつきを総体としてとらえ、その戦場で新ストア主義の歴史的意義を指摘するというものではなかった。これに対して、エスライヒは、人間の精神構造と国家構造との結びつきを軍事を媒介として明らかにしようとしたのである。[p.90]

勉強になります。