涜書:何もする気が起きない夜のために

こんなときのために買っておいた本を読むものである。

1927年の夏講義。
現象学の根本問題

現象学の根本問題

  • 第一部 存在に関するいくつかの伝統的テーゼについての現象学的批判的な論究
    • 第一章 カントのテーゼ「存在はレアールな述語ではない」
    • 第二章 アリストテレスにまで遡る中世存在論のテーゼ「存在者の存在構造には〈何であるかということ〉、つまり本質存在(エッセンティア)と、可能な事物的眼前存在、つまり事実存在(エクシステンティア)が属する」
    • 第三章 近代存在論のテーゼ「存在の根本様態は、自然の存在つまり広ガリノアルモノ(レス・エクステンサ)と、精神の存在つまり思考スルモノ(レス・コギタンス)である」
    • 第四章 論理学のテーゼ「すべての存在者はそのつどの存在様態には関わりなく『である』(イスト)によって語られうる」。繫辞(コープラ)としての存在(ある)
  • 第二部 存在一般の意味についての基礎存在論的な問い。存在の根本諸構造と根本諸様態
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~asuda/res/heide10.html
1996/1997年の講義。
講義・身体の現象学―身体という自己

講義・身体の現象学―身体という自己

  • I 身体の謎
  • II 感覚することと知覚すること   
  • III 空間時間的方位づけと身体運動
  • IV 自発性と習慣
  • V 身体的表現
  • VI 転換箇所としての身体
  • VII 自分の身体と他者の身体
  • VIII 身体的応答系
http://www.chisen.co.jp/book/book_shosai/901654-30-6.htm


VII-1 にヘルマン・シュミッツへのコメント。「誤りの例」として(!)、10頁ほど。
てことで、本日は VII章とVIII章を。

VII 自分の身体と他者の身体VIII 身体的応答系
  • 1 自己関係と他者関係 284
    • 他者関係に先立つ自己関係? 247
    • ヘルマン・シュミッツの身体の理論について 288
      • a) 理論の概要の提示(1〜7) [289]
      • b) ギリシア人、経験主義、そして現象学における感知することと感覚することへの短い歴史的な中間考察(1〜3) [294]
      • c) ヘルマン・シュミッツの身体現象学への最終的な批判(1〜3) [300]
  • 2 自分の身体と他者の身体との交差としての間身体性 [308]
  • 3 世代性
  • 4 エロス的で性的な欲望
  • 5 性的身体の多形態論
  • 6 自然な性と人工的な性
  • 1 志向性、コミュニケーション性、応答性
  • 2 身体で答えること
  • 3 声と反響、眼差しと鏡
  • 4 感覚のエトス


■b) から:

  • 感覚に関するフッサールの三分類:
    • 対象的な意味がつくりあげられる基となる特定の「ヒュレー」。
    • 自己触発:私が私自身に関係づけられていること、私が私自身を感覚すること。
    • 呼びかけ Anruf:何かが私を襲い、私に呼びかけ、私に触れること。触発における他なるものとのかかわり。Empfindlichkeit。
  • ハイデガーはこの全領域を「情態性」・「気分」と呼んだ: 私が〜にある Ich befinde mich.