基本的法概念の未開法研究への適用:ホーフェルド(その3:補遺)

あとでたぶん使うので、ほかの二つについてもコピペしておく。

III
権限は、AがBに影響する新しい法律関係を任意に発生させることができるという意味である。

  • Aが、「私がこのことをすれば、それがBに新しい義務を課し私には新しい要求権を付与することになるか」と訊く立場にある場合である。
    • この場合、Bは、Aに売買または契約を申込む以上、Aは、これを受諾することによりこの契約を締結することができる。
  • Aは新しい法律関係を発生させる権限を持つが、Bの申込は単にBの特権的権利にすぎない。
  • Bは申込をすることは自由だが、申込自体には権限がなく、Aはこれを無視することができる。
  • Bの行為が新しい法律関係を発生させるのでなく、Aの承諾がこれを発生させる。

責務は、Bが、Aの任意の行為により発生した新しい法律関係に従うことを意味する。

  • こうして、Bが申込をすると、Aは契約を締結することにより新しい法律関係を発生させることができる。これがBの責務である。

「Bの申込は単にBの特権的権利にすぎない。」って言葉遣いは異様だね。「Bは申し込みをしても(しなくても)誰か──裁判所やオニギリなど──から怒られたりしない。放置。」という意味ですね?

IV
免責は、BがAに影響する新しい法律関係を任意に発生させようとする企図に、Aが従わないことを意味する。

  • この場合、Bが申込をしても、Aは思うようにこれを拒否ないし無視することが自由である。これが、Bの行為に対するAの免責である。

無権限は、Aに影響する新しい法律関係を、Bが自己自身の行為によっては発生させることができないことを意味する。

  • AがBの申込を拒否しても、Bはそれに対して何もできない。これがBの無権限である。

4章の→「10」の例で、「I」と「II」の組しか出てこないのは、この例が「新しい(法的)関係[→ex.契約]」を生み出すタイプのものではない(と考えられている)から、だったんですね。


「消極的/積極的」について。

まず最初に注意すべきことは、四組の関係のうち、二つは積極的(かつ能動的)、他の二つは法的に消極的(かつ受動的)なことである。

  • 〔要求権←→義務〕〔権限←→責務〕との二関係は、積極的かつ能動的であり、また裁判所その他法律上の有権機関の強制的権威に従う命令的関係であるから、法的サンクションによって執行される。
  • これに対し、〔特権的権利←→無要求権〕〔免責←→無権限〕との二関係は、消極的かつ受動的である。
    • この二つは、それだけでは直接に法律的手段により執行されることがない。むしろ法の作用に限界を画する。
    • というのは、両者とも、法の規制領域の外にあって裁判所その他法律的有権機関の強制的権威に従わない型の行動を定めるものだからである。

あーもー。めんどくせ。