涜書:スタイン『法進化のメタヒストリー』

朝食。読了。

法進化のメタヒストリー

法進化のメタヒストリー

記述は平明だし文献表や訳注も親切、門外漢にはためになる書物で いろいろと(アダム=スミスはやっぱり──法学史においても──偉い ってことがわかった、とか)勉強にはなったのだが、タイトルも看板も 何重ものいみで読者を裏切るものですな。
 前エントリに書いたように[訳者さんがつけた]「メタヒストリー」ってのは「思想史」のことだし、[著者さんがつけた]「進化」というタイトルも、現在この語によってふつうに理解されているもの──構造化された-偶然の-累積──とは関係がないし。

著者さんは「生物進化論とも、社会進化論とも異なる法進化論の独自な歴史」を云々するけど、そこで「進化論」の名で呼ばれているものは「発展段階論的歴史記述」という表現でふつーに通用するもので、べつに「法独自の」ものなんかじゃないよなぁ、とおもいました。


■アダムスミスと恋の情熱:

[p.52]

■法人類学が教えるもの:

[p.126-7]

■所有について;メイトランドのメイン批判:

[p.130-1]

■無礼なデスニツキー(←「ロシア法学の父」):

しかしデスニツキーは、聖歌隊の指揮者をしていた教授のかつらを脱がし、無礼のかどで大学の批判を受けたために、その滞在期間を切り詰められた。[p.139]

すごい。