涜書:グールドナー『産業における官僚制』

昼食。親切な近所のかたにコ■らせていただきました。ありがとうございます。

産業における官僚制──組織過程と緊張の研究

  • 作者: ゴールドナー
    岡本秀昭&塩原勉訳
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1963
  • メディア: 単行本

第一部

  • 序 章 官僚制研究の一試論
  • 第01章 調査事業所と地域社会の概要
  • 第02章 温容型人間関係

第二部

  • 第03章 転換の起点──後継者の登場
  • 第04章 継承と官僚制の諸問題
  • 第05章 後継者の防禦

第三部

  • 第06章 坑内と坑外の組織
  • 第07章 坑内労働者の信条
  • 第08章 地上と地下のモティベーション

第四部

  • 第09章 官僚制規則の機能
  • 第10章 官僚制類型の予備分析
  • 第11章 懲罰型官僚制
  • 第12章 官僚制の三類型

結論

  • 第13章 結論

付録

  • 現場調査の方法──学生調査チームの社会組織──
  • 形而上パトスと官僚制理論
  • ゴールドナー著作目録
  • 解説1 組織分析に置ける発送の諸様式──塩原勉
  • 解説2 産業官僚制と緊張 訳者あとがきに代えて──岡本秀昭

「序章」、「結論」、「調査方法」、「形而上パトスと官僚制理論」、および解説二つ、まで。
「調査方法」はグールドナーの学生が書いたもの。
「形而上パトスと官僚制理論」は独立に発表された論文:

  • A.W. Gouldner, "Metaphysical Pathos and the Theory of Bureaucracy," American political Science Review, June, 1955.

ウェーバーパーソンズそのほかの官僚制論あれこれを批判的に概括したもの。「メタフィジカル・パトス」はラブジョイの言葉:

存在の大いなる連鎖 (晶文全書)

存在の大いなる連鎖 (晶文全書)

「恊働の規模がでかくなれば官僚制は不可避」ウェーバー=パーソンズ・テーゼ:大意)に対して、「そんなのは技術決定論。ピラミッドは官僚制によるものじゃないよ*」(大意)という主張がベンディクスを参照しつつなされているがどうなのかこれは。

正確には二つのことを言っている:
  • a:小規模の組織でも官僚的に運営されているものがある
  • b:官僚制によらない大規模組織もある
のだが。
bは──それがいえれば──「決定的」だけど、aはとりあえず反論にはならないよなぁ...?

つーかお前らはいったいどんなものを「官僚制」と呼んでいるのですか。
ともかくもやはりベンディクス本の優先順位を上げておく。



■本研究の準拠問題(第13章「結論」より)

  • 官僚制的管理方式の拡大/収縮に関連する要因はなんであったか
    なにが官僚制の度合いを高めたり低めたりするのか。
  • いったん創始されたあとでは、官僚制組織を強化し、その存続維持を可能ならしめる弾力性を与えるのはなにか。
  • どのような問題に対して官僚制がひとつの解決策であると知覚されるのか。
  • 官僚制化の増大は、いかなるプラスあるいは満足を生むか。
    それらは誰にとってのプラスあるいは満足なのか。[p.259-260]