パートのお仕事。ISBN:B000JA7VQC
1964年刊行。邦訳1967年。
ルーマンの『公式組織の機能とその派生的問題 上巻』(ISBN:4787796119)と同じ年。
大テーマ | 課題 | 章タイトルと小見出し | 内容 |
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主題と構成の提示 | 第1章 合理性と幸福──組織のディレンマ | ||
テーマ1:組織目的 | 第2章 組織の目的──支配者か奉仕者か | ||
先行研究紹介1 | 第3章 古典学派 | フォーマルな科学的管理論 | |
先行研究紹介2と 構造論的アプローチの提示 | 第4章 人間関係論から構造論へ
| インフォーマルな人間関係論 | |
先行研究紹介3 | 第5章 官僚制──その構造と正統化
| 構造論の創始者としてのマックス・ウェーバー | |
テーマ2:組織構造 | 構造論的アプローチの適用1 | 第6章 組織の統制とリーダーシップ | 比較論的見地からの組織構造の研究1 |
構造論的アプローチの適用2 | 第7章 組織の統制とその他の相関変数 | 比較論的見地からの組織構造の研究2 | |
構造論的アプローチの適用3 | 第8章 管理的権限と専門職的権限 | 比較論的見地からの組織構造の研究3 | |
構造論的アプローチの適用4 | 第9章 現代の組織と顧客 | ||
テーマ3:組織環境 | 構造論的アプローチの適用5 | 第10章 組織と社会的環境 |
第1章 合理性と幸福
pp.5-6
本書の構成
この本は、以上に述べてきた組織の定義にもとづいて構成されている。すなわち、
- 明らかに一定の社会環境のもとにあって
- 特定の目的を追求し
- そのために役立つような構造をもった社会単位
を組織と考えている。したがって、本書には三つの焦点があることになる。すなわち、組織目的、組織構造、組織とその社会環境 というテーマである。
そのうち、第二の組織構造について、他の二つよりも相当多くのスペースが割かれている。それは次の二つの理由による。
- 第一に、組織目的(第2章)や環境についてよりも、組織構造については、これまでにより多くの研究がなされており、利用できる文献も多いからである。
- 第二に、組織論についての主要な学派がこれまで重視してきたのは この組織の構造的側面であり、したがって、組織構造の問題にそってこれらの異なった研究を評価するのがもっとも適切であると考えられるからである。
- さて、本書における組織構造についてのアプローチは、フォーマルな科学的管理論と、インフォーマルな人間関係論という二つの学派の総合とみることができる。
- この両派の行った主要な業績は、第3章、第4章において それぞれとりあげられる。
- ともかく、この両学派の検討からうまれた総合──構造論的アプローチ──は、組織論におけるさまざまな側面はもとより、特にフォーマルな視点とインフォーマルな視点とを結合したものである(第4章)
- 次の第5章においては、マックス・ヴェーバーの官僚制論が紹介されているが、それはじつは初期の構造論の代表的業績であり、むろんそれ自体としても非常に重要な研究である。
- そして本書の残りの部分で、われわれのいう構造論的アプローチを次のように適用した。
- 比較論的見地から組織構造の研究に対して(第6-8章)、また
- 組織とその顧客との関係に対して(第9章)、さらに
- より大きな環境の問題に対して(第10章)
である。
第4章 人間関係論から構造論へ
- [49] 人間関係学派は、伝達・参加・リーダーシップ の役割を強調したよ。
- [54] 食習慣の変更に関するレヴィンの実験
- [56] レヴィンの影響下におけるリーダーシップ研究
- [62] 構造論的アプローチ(e.g. ベンディクス)からの人間関係論に対する批判
第5章 官僚制
- [77] 組織論に「統制」という観点をもたらしたのはウェーバーだよ。