ルーマン『マスメディアのリアリティ』

昼食。

The Reality of the Mass Media

The Reality of the Mass Media

マスメディアのリアリティ

マスメディアのリアリティ

法っていうのは、立法・司法・諸契約という領域から成り立っているよね。それとおんなじで、マスメディアも、ニュース/ルポ・エンターテイメント・広告という3つのプログラム領域をもっていて、それぞれにおいて異なるやりかたで情報生産しているよ、云々‥‥と先生は仰るわけですが。
「立法・司法・諸契約は──べつの活動に従事しているわけじゃなくて──【ひとつの】法秩序をなすものだよ。またマスメディアも(略)」という主張そのものは、常識的直観に反するものではない。が、その論証のほうが怪しい。「システムの統一性」を機能によって与えているように読める箇所がある一方で/しかも、それで押し切っているようにも見えない。

しかも『社会の法』のほうには、「機能が統一性を与えるわけではない」と明確に述べている箇所があったはずだ。

「システム論」の看板を掲げるからにはいつもかならずこのこと──システムの統一性──が問題になるわけだが、いつもかならず議論が不明確なままであるルーマン先生なのでありました。


それはさておきとりあえず、この本において「現代社会においては、マスメディアが、そして(社会学を例外とすると)マスメディアのみが、生活世界的リアリティの基盤を構築している*」などという あからさまに常識的直観に反する異様な主張は一切なされていない、ということまでは確認できた。

* 大黒先生は(@isbn:4757101996)「ルーマンがそう主張している」となぜか主張しておられるのだが。

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さらにところでこんな本がでているのをいま知ったのだが、なにが書いてありますか。

Luhmann Explained: From Souls to Systems (Ideas Explained)

Luhmann Explained: From Souls to Systems (Ideas Explained)