おかいもの:奥田『科学技術の社会変容』

合評会(id:contractio:20110807)に関連して教えていただいた下記論文経由で。

  • 奥田 栄『社会の技術』社会・経済システム (29), 85-91, 2008

注3にて曰く:

ルーマン自身の技術についての言及は、Luhmann, N. "Die Wissenschaft der Gesellschaft(社会の科学)" Suhrkamp (1990, Zweite Auflage 1991)の、たとえば「第4章 真理性」の章に見られる。そこで取り上げられている 間違った理論に基づく技術の問題や、科学と技術とのかかわりについての問題などは、とくに構成主義の科学論との関連で英語圏でなされた技術論に多くを負っており、ルーマン独自の視点はあまり表にでていないように思える。構成主義の科学論と技術論とのかかわりについては、すでに奥田栄『科学技術の社会変容』(日科技連、1996)で述べたので省略したい。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007468422


1996年刊行。

科学技術の社会変容 (シリーズ・社会科学のフロンティア)

科学技術の社会変容 (シリーズ・社会科学のフロンティア)

まえがき。p.viii
 本書は大きく二つの部分に分けられる。科学を扱った前半(第2章から第6章)と、技術を扱った後半(第7章から第12章である。
  • 前半では、外的科学史科学社会学は これまで常識とされてきた科学に対する味方をどう変えたか、そもそも外的科学史科学社会学はどのように誕生したのか、科学社会学は科学者や科学知識をどのようにとらえているのかといった話題を中心に教科書風に記述する。
  • 後半では、科学技術の社会学を建設するひとつの試みをおこなう。ここで採用した基本的スタンスは、技術を孤立した装置あるいは仕掛けとして見るのではなく、大きな技術システムの一部としてとらえるところにある。
  • 第7章 技術の社会的形成
    • 1 科学が技術を形成する
    • 2 技術が技術を形成する
    • 3 技術システム
    • 4 技術パラダイム
    • 5 技術社会学科学社会学
    • 6 ストロングプログラムの技術への応用
    • 7 従来の技術研究との違い
    • 8 相対主義の経験的プログラム
      • 8.1 社会構成主義
      • 8.2 システムズアプローチ
      • 8.3 アクターネットワーク
  • 第8章 ポリエージェント技術論の試み
  • 第9章 企業、研究者、政府
  • 第10章 巨大技術システムの発展
  • 第11章 ARPANET の発展
  • 第12章 インターネットの発展

■参照文献