タミソン4:吉田民人(2003)「近代科学のメタパラダイム転換」

第18期日本学術会議の副会長だったときのもの。
p.34

ところで、以上の報告書第7章の試論、とりわけ「科学の根本範疇の転回」は、用語の珍奇性と難解、極度の異端性ほかの理由から、日本学術会議の対外報告の内容として相応しく無いというのが、各部から選ばれたレヴュー委員ならびに分科会を含めて新しい学術体系委員会の多数意見であった。その試論が大勢を覆して付論としてでも報告書に含まれることになったのは、委員会の二人の幹事、久米 均氏と上野民夫氏の理解と説得によるものであった。