ハラウェイ(1989)『猿と女とサイボーグ』

読書会と聞いて。

ISBN:4791769902 ISBN:4791758242

  • 謝辞
  • 序章

第1部 生産・再生産システムとしての自然

  • 第01章 動物社会学とボディポリティックの自然経済・優位性の政治生理学
  • 第02章 過去こそが、論争の場である:霊長類の行動研究における人間の本性と、生産と再生産の理論
  • 第03章 生物学というエンタプライズ:人間工学から社会生物学に至る性、意識、利潤

第2部 論争をはらんだ読み:語りの本質と語りとしての自然

  • 第04章 はじめにことばありき:生物学理論のはじまり

  • 第05章 霊長類の本質をめざした争い:フィールドに出た男性=狩猟者の娘たちの1960~1980
  • 第06章 プチ・エメチェタを読む:女性学における「女性の経験」への挑戦

第3部 場違いであるものの領有されることもない他者たる人々にとっての、それぞれに異なるポリティクス

  • 第07章 マルクス主義事典のための「ジェンダー」:あることばをめぐる性のポリティクス
  • 第08章 サイボーグ宣言:二〇世紀後半の科学、技術、社会主義フェミニズム
  • 第09章 状況に置かれた知:フェミニズムにおける科学という問題と、部分的視角が有する特権
  • 第10章 ポスト近代の身体/生体のバイオポリティクス:免疫系の言説における自己の構成

[03]

  • 本書の第一部を構成する各章では、猿や類人猿の行動や社会生活に関する知識、またそれらの持つ意味の生産のされ方をめぐるフェミニズムの苦闘の過程について検証する。
  • 第二部では、「自然」と「経験」という、英語の語彙の中でも特段に力があり、しかも暖昧な二つの語彙をめぐる物語りを決定する力を目指した争いについて検討する。
  • 第三部では、具体的なかたちをとりはじめたサイボーグ、フェミニズムの各種ジェンダー概念のゆくえ、見方/見え方[ヴィジョン]をめぐる各種メタファーの、フェミニズムの立場にたった倫理と認識論に向けた再領有、そして、「差異」という、ポスト近代世界の主要な体系についてのバイオポリティカルな見取り図ともなっている免疫系に焦点をあてる。
  • こうした多岐にわたる内容の全体を通して、本書は、さまざまなかたちで構築された存在たる自然を、人種、植民地主義、階級、ジェンダーセクシュアリティによる支配になるべく翻弄されずにすむ世界に棲息することを必要とし、また希求している人々にとって不可欠であるような文化のプロセスとして取り扱う。
  • [04][第一部]「猿や類人猿をめぐる科学の数々が持つバイオポリティヵルな語りに焦点をあてた初期の文章は、米国のヨーロッパ中心的な社会主義フェミニズムの内部という立場で執筆したものである。これらの各章では、現代生物学における自然──生産と再生産/生殖のシステム、すなわち労働/出産のシステムとしての自然──が持つ根深い成り立ちを、こうしたメタファーにつきものの各種の暖昧さや支配関係をも丸ごと抱えこんだかたちでとり扱う。自らの物語りを現実のものとしうる強大な力を持った支配的な文化グループにとっての自然は、いったいどのようにして、労働システム──階層的分業によって規定され、人種、性、階級といった不平等な存在が、搾取のシステムが稼働する過程で、自然な存在とされてしまうようなシステム──となったのだろうか。人々の目に映った動物や人々の生活/生命のありさまは、いかなる帰結をもたらしたのだろう。」
  • [05][第二部]「本書中ほどの各章では、」
  • [06][第三部]「第三部「場ちがいではあるものの領有されることもない他者たる人々(inappropriate/d others)にとっての、それぞれに異なるポリティクス」は、四つの小論から構成されている。」