III-II 言表機能

  • a [指示][165]
  • b [主体への関係][173]
  • c [関連領域への関係][180]
  • d [物質性][188]

次節冒頭におけるまとめ

言表を、言語学的タイプの一つの単に(…)として定義することはできない。私が相手にしているのはむしろ、さまざまな単位(…)を作用させている言表機能である。それは、

  • [a] それらの単位に一つの「意味」を与えるかわりに、それらを一つの対象領野に関係づける
  • [b] それらの単位に一人の主体を授ける代わりに、それらに対して一連の可能な主体の位置を開く
  • [c] それらの単位に対して限界を定める代わりに、それらを連係と共存の領域のなかに置く
  • [d] それらの単位の同一性を決定する代わりに、それらがそこで充当され、使用され、反復されるような一つの空間の中にそれらを置く

要するに、発見されたのは原子のようなものとしての言表──意味の効果、起源、限界、個別性を備えた言表──ではなく、言表機能が作動する領野と、言表機能が多様な単位(…)を出現させる際に従う諸条件であるということだ。[200]