菊澤『組織の経済学入門』

夕食。2章2周目。
悪い本じゃないとは思うのだが、しばしば(自分でつくってる!)ストーリー展開に無頓着な・解釈のむつかしい表現が登場するのが残念であります。本を出すひとは、校正に出す前に まず友達に読んでもらいましょう!


「取引コスト」のおはなしのつづき。

組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ

組織の経済学入門―新制度派経済学アプローチ


■メモ

取引費用の組織論

  • 組織についての研究は、社会学的な観点から行われることが多かった。
    • そこでは、組織形態の違いは、命令伝達システムの違いだとみなされる。
  • これに対して、取引費用理論は オルタナティヴを与える。そこで、旧来の組織論のテーマが 取引費用理論でも扱えることを示そう。
    • 組織は ここでは、「組織参与者の非効率的・機会主義的な行動を抑制する(→取引費用を節約する)統治制度」だとみなされることになる。
  • 扱うトピックは3+1つ:
    • 組織デザイン論
      一つの企業(あるいは一つの企業グループ)は、どのような管理構造をとるか。またそれはなぜ変わるのか。
    • 経営戦略論
      複数の企業の関係──統合や提携など──はどのように選ばれるのか。またそれはなぜ変わるのか。
    • コーポレート・ファイナンス
      企業の資金調達(ex.借金や株式公開)をめぐる事情──資金提供者(ex.資本家や株主)-と-企業 の関係──はどのようなものか。
    • 組織および組織戦略の非効率性・不合理性・非倫理性・不正はなぜ生じるか。