涜書:坂本『アイデンティティの権力』

かつてタレコミによって読んだらしい:http://d.hatena.ne.jp/contractio/20060322#1143033645

アイデンティティの権力―差別を語る主体は成立するか

アイデンティティの権力―差別を語る主体は成立するか

第一部 マイノリティと「主体」

第1章 社会現象としての差別
  • 1 差別の理論的定義の必要性
  • 2 人種問題の理論
    • 社会構造説 [利害の葛藤]
    • 偏見説 [偏見(という心理的態度)の表現(=差別)
  • 3 マートンとミュルダールの再検討
    • マートンの内集団-外集団論
    • ミュルダールのジレンマ論
  • 4 差別定義の検討
    • A 差異による定義
    • B 不利益による定義
    • C 平等による定義
  • 5 告発による差別定義と分析
    • 状況の規範/制度の規範/根拠の規範 [〈原初的差別/高次の差別〉]
    • 二つの原初的差別
    • 差別語をめぐって
    • 差別現象のトータルな分析
  • 6 本章への批判に応える
    • 佐藤[裕]論文への応答
    • 構築主義的視点の意義
  • 結び
第2章 スティグマ分析
  • 1 問題提起
  • 2 レイベリング論・ゴッフマンのスティグマ分析
    • レイベリング論の射程
  • 第3章 状況規範と異化

第二部 状況における権力と自己

  • 第4章 行為と主体
  • 第5章 状況定義/権力/アイデンティティ
  • 第6章 ゴッフマンの「自己」

第三部 アイデンティフィケーション論へ

  • 第7章 語る/聴く主体はいかにして成立するか

第四部 フェミニズムをめぐる考察

第1章 社会現象としての差別

著者による定義:

差別とは、成員のカテゴリー間の同一性にかかわる正当性の基準に基づいて告発された事象である。(p. 19)

p. 24

差別は、同一社会内で一致すると想定されている異質な規範間のずれが、成員により告発されあらわになった、社会現象である。

http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0937-7.htm