オルムステッド(1959→1963)『小集団の社会学』

第1章 序論

  • 「小集団研究は社会科学の基礎である」のか、それとも「小集団の社会学社会学の一研究分野である」のか。

著者の見解は後者。

  • 小集団研究を概観するありうる作法:
    • 最低限の仮説による研究成果を整理する(クライン、リイケン、ホーマンズ)
    • 社会科学に対する小集団研究の意義をまとめる(フェアリス、ウィルソン、シルズ)
    • パーソンズ&ベールズに従って、主要なアプローチ・仮定・諸問題を概観する

本書の目的は最後のもの。

第2章 集団の研究

社会学的研究と心理学的研究の違いについて。

  • 社会学的: Xにおける集団の役割は? [X=社会、教会、個人生活、etc.]
  • 心理学的: Xが集団生活の中で果たす役割は? [X=感情、コミュニケーションのパターン]
本書の構成

三つの主軸:

  1. 社会学的/心理学的|集団としての社会/社会としての集団|外部的焦点/内部的焦点
  2. 感情的 affective/用具的instrumental|一次集団/二次集団
  3. 「パーソナリティ・文化・社会構造」 (→5章・6章・7章に対応)

第3章 集団研究─事例研究

  • 例1:企業内作業 (ホーソン実験)
  • 例2:少年ギャング (スラッシャーとホワイト)
  • 例3:実験室的研究 (クルト・レヴィン門下)
  • その他: 軍隊(ストゥーファー/シルズ)、意見調査(カッツ&ラザースフェルド)
例2:少年ギャング
  • シカゴ: Fredelic M. Thrasher, The Gang, 1927.
  • ボストン: William F. Whyte, Street Corner Society, 1943.
例3: 民主的集団・自由放任集団・権威的集団
  • Ronald Lippit and Ralph K. White のリーダーシップ研究(1930年代)

第4章 集団の機能 [社会学的考察]

第5章 個人と集団 [心理学的考察]

  • 第1章 序論
  • 第2章 集団の研究
    • 二つの伝統
    • 集団の定義
    • 小集団と一次的集団
    • 本書の構成
  • 第3章 集団研究─事例研究
    • 企業内での作業集団
      • 継電器組立室調査
      • 配電器巻線作業観察室
    • 少年ギャング
      • シカゴでの調査
      • ボストンでの調査
    • 民主的集団・自由放任的集団・権威的集団
    • 別な小集団研究の事例
      • 軍隊
      • 意見調査
  • 第4章 集団の機能
    • 個人に対する集団の諸機能
    • 組織に対する集団諸機能
    • 社会に対する集団諸機能
  • 第5章 個人と集団
    • 序説
    • 集団の個人におよぼす影響とはなにか
    • 結論
  • 第6章 集団の文化
    • 集団過程と集団文化
    • 集団による問題解決
    • 集団規範
    • 結論
  • 第7章 集団の社会構造
    • 特殊な見方
      • 感情的諸関係の網の目としての集団
        ソシオメトリー、精神分析
    • 一般理論
      • ホーマンズ
      • グループ・ダイナミックス
      • 相互作用過程分析
    • 研究されてきたいくつかの問題
  • 第8章 小集団の社会学─解説および提案
  • 参考文献