ルーマン(1988→2013)「はじめに不法なかりき」

朝カル講義準備 http://socio-logic.jp/luhmann_acc/


社会構造とゼマンティク 3 (叢書・ウニベルシタス)

社会構造とゼマンティク 3 (叢書・ウニベルシタス)

1988年にIVR世界大会のために来日した時の河上倫逸によるインタビューで「所有概念に関する結構大きな草稿を書き上げたところ」だと言っているのが、おそらくこの論文のことだろうと思われる。http://d.hatena.ne.jp/contractio/198802#p40

  • I
  • II
  • III [ハチスン]
  • IV [ロック:労働]
  • V [ヴォルフ:義務は権利に優先する]
  • VI [スミス:18世紀後半の経済学理論]
  • VII [ルソーとサド:はじめに悪ありき]
  • VIII [スピノザ重農主義
  • IX

III ハチスン

IV ロック

  • 「罪なき端緒」という構想の第二の支柱となっているのは、労働の概念である。
  • ロックは、先取取得の理論を、貨幣経済下でも維持できるように改編した
  • 24「ロックの政治経済学は、当初はその時代状況を越えて波及する影響力など持っていなかった。だが、彼の理論定式が確立された後、さらに数十年を経てその有用性が再発見され、それ以降、とりわけ19世紀に登場した初期社会主義者たちに利用されることになるのである。」
    • 「すでに構造上定式化され切っていたゼマンティクが 偶然的契機に反応し・刷新され・構造の継続的革新に至りうることすらあること、またそれはいかにして生じるのか」という例
  • 注63:ジョン・ポーコック(1979)「所有の流動性と18世紀社会学の興隆」 『徳・商業・歴史

V ヴォルフ

VI アダム・スミス

  • 35
    • 市場によって可能になること:貨幣に媒介される諸条件を切り離し、貨幣によって媒介される諸帰結を見ないようにすること
    • それに対する批判:功利主義個人主義・商品の物神崇拝に対する批判

しかし議論の構図の由来という点から見るならば、次のように考えて見ることもできるはずである。ここで問題となっているのは結局のところ、(あれこれの合理的計算ではなく)合理的計算を抽象化するための社会的条件ではないのだろうか。

ようやくルーマンの見解。