久々に再訪。https://contractio.hateblo.jp/entry/20160415/1
今回は第六章「認知科学から経済動学へ」をば。
第六章 認知科学から経済動学へ
- 第一節 手続合理性の理論
- 第二節 不確実性の経済学
- 第三節 実証研究に基づく「経済動学」
第二章「経済学から認知科学へ
第一節 経済理論のプロセス化
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「もしシロップを注ぎ込むボールが激しく揺れ動くとしたら、もしくは均衡に到達するまでの動きについて何かを知ろうとすれば、非常に多くの情報が必要となる。とりわけ、シロップの特性について多くの情報が求められよう。中でも、シロップの粘着性についての知識―それが入っている容器に「適応」していく速度、重心を低くするという「目標」を達成する速さに関する情報など―がどうしても必要となってこよう。つまり、適応的有機体の短期の行動、もしくは複雑で急速に変化しつつある環境下にある有機体の行動を予測するには、その目標を知るだけでは不十分である。内的構造と特にその適応メカニズムについて多くを理解しなければならない。」
たとえば、重力に加え、液体に働く別の力があるとすれば、均衡における行動を予測する場合だけでも、さらに多くのことを知らなければならない。7
注7)「Simon, H A., "Theory of decision-making in economics and behavioral science," p. 289. このサイモンの主張は、1970年代に入ると「実質的合理性から手続的合理性へ」という議論に変わっていぐ。 Simon, H. A., "Human nature in politics: the dialogue of psychology with political science," The American Political Science Review, 79(2), June 1985, p. 294.」