第3章第4節「ダブル・コンティンジェンシーと不確実性」

「ダブル・コンティンジェンシー」という問題設定はなんの役に立つか。

「進化論的・形態発生的理論構築のために」ということのようです。

 「純粋」なダブル・コンティンジェンシー、したがって社会的に完全に未規定な状況は、たしかにわれわれの社会的現実のなかにはけっして見いだされない。そうであるにもかかわらずこの出発点は、決定的に重要な問題をさらに追求するのに適している。ここから出発すれば、たとえば、

  • みずからの規定と相手の規定の循環を自己決定によって打破するのに あらゆることがら が適しているのだが、それでも 特に それに適しているのは何なのか、
  • ある社会構造が他の社会構造よりも より用意に成立するということを確実ならしめる選択の利点は、どこに存しているのか

という問題を考察できることになる。 [p.183]

[...] この種の進化論的(ないしは形態発生的)アプローチにとって重要なのは、

  • 淘汰の利点が貫徹しており・淘汰によってそれ以外のものや可能なものを阻止している規則なるものは、
  • 進化を通して形成される構造とは「似ても似つかぬ」ものであり、
  • それゆえたとえば「モデル」とか「プラン」としてのように機能してはいない

ということである。[p.184]